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どの絶滅危惧空間を扱うのか(300文字以内)
本提案が扱う絶滅危惧空間は、ガソリンスタンド(SS)である。燃料を売る店舗ではなく、道路から入り、一時停止し、補給し、再び生活動線へ戻る「補給の空間種」として捉える。国立駅から徒歩圏の都市郊外型SSをロールモデル敷地とし、住宅地・都市農地・幹線道路の接点に残るキャノピー、舗装面、車路、店舗を読み替える。特定の事業主に限定せず、SS事業者・土地所有者・自治体・地域主体が応用できる変異モデルである。
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なぜその絶滅危惧空間を扱うのか(600文字以内)
SSは、燃料需要の減少、施設老朽化、地下タンク等の設備更新負担、後継者難、安全管理の重さによって、残したくても閉じざるを得ない状況にある。しかしSSが失われると、消えるのは給油機だけではない。灯油配送、農機や軽トラックの燃料補給、緊急車両への供給、災害時の給電・給水・物資配布、夜間の明かりと人の目、短時間立ち寄れる余白、地域の目印としての記憶も同時に細る。SSにはなお、大きなキャノピー、車が入りやすい動線、道路に開いた視認性、舗装された余白、安全管理の経験、地域事業者との接点が残っている。だからこそ、閉店を単なる喪失として待つのではなく、燃料機能が細る時間を、地域に必要な補給機能を診断し、次の担い手へ引き継ぐ時間として扱う必要がある。
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どのようにその絶滅危惧空間を変異させるのか(1200文字以内)
Life Aid Stationは、閉店したSSを空き地として再利用する提案でも、単に「地域拠点」へ転用する提案でもない。既存SSが持つ「道路から入り、一時停止し、補給し、再び道へ戻る」形式を継承し、補給するものを燃料から、食・水・電気・情報・物流・防災・ケアへ段階的に広げる提案である。地域拠点を新しくつくるのではなく、モータリゼーションが残した補給網の末端を、次の暮らしの補給網へ引き継ぐ。
変異は、空間の読み替え、閉店前からの段階的な移行、運営の引き継ぎによって行う。まず空間の読み替えでは、キャノピーを半屋外の公共の屋根へ、車路・舗装面を配送と受け取りの共存帯へ、外周壁や防火壁を掲示と備蓄の補給壁へ、店舗・整備室を補給室・保管室へ、サインや照明を給水・充電・災害時モードを知らせる地域ビーコンへ変える。給油島は既存設備を安易に転用せず、島状に立ち寄り、補給を受け渡す形式として再設計する。道路に面した柵は閉じる境界ではなく、低い植栽・車止め・床面表示へ置き換え、生活動線から入りやすい縁側にする。
進め方は、閉店後ではなく閉店前から始める。給油機能が残る段階では、危険物施設としての安全基準を前提に、給油空間と生活補給空間を分離し、歩行者・自転車・車両・配送車の動線を整理する。まずキャノピー端部、店舗脇、外周部から、掲示、給水、受け取り棚、防災備蓄、休憩機能を小さく重ねる。営業縮小期には、使われなくなったレーンを車止めや床面表示で区切り、配送・受け取り用の停車スペース、冷蔵ロッカー、自転車ピット、修理台を置く補給帯へ変える。
運営は、誰かの善意に頼らず、役割の順番で引き継ぐ。まずSS事業者と土地所有者が、空き時間・空きレーン・敷地余白、電源、照明、安全管理を提供する。次に自治体と自治会が、防災協定、掲示、備蓄点検、安否確認、買い物支援を位置づける。その上で、JA・農家、配送事業者が予約販売の野菜・米・加工品、日用品、見守り配送を持ち込み、住民は受け取り、給水、休憩、地域行事、防災訓練を通じて使い始める。
燃料販売だけで支えるSSから、受け取り手数料、備蓄管理、配送中継、場所利用、自治体委託を組み合わせた「地域の補給契約」へ移行する。SSを残すのではない。モータリゼーションが残した補給網を、次の暮らしへ引き継ぐことで、絶滅危惧空間は次の生活インフラへ変異する。
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暮らしの補給所|Life Aid Station-モータリゼーションの閉じ方-
「暮らしの補給所|Life Aid Station」は、ガソリンスタンドを延命・保存する提案ではない。モータリゼーションが全国に張り巡らせた燃料補給網が細る時間を、地域の暮らしを支える補給網へ引き継ぐための“閉じ方”の提案である。SSに残るキャノピー、車路、給油島、店舗、外周壁、道路との接続を読み替え、食・水・電気・情報・物流・防災・ケアを受け渡す場所へ段階的に変異させる。閉店後の跡地利用ではなく、閉店前から小さく始め、SS事業者、土地所有者、自治体、自治会、JA・農家、配送事業者、住民が役割を引き継ぐ。燃料を売る場所から、暮らしを補給する次の生活インフラへと変異させる。
