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閉業ガソリンスタンドにおける「実践的な所有」の空間化 ― 分散型所有スキームを用いた暫定利用と新築建築への用途継承 ―

その他
都市で閉業し、放置あるいは駐車場・コンビニ等へ転用されて地域的文脈を切断されている「ガソリンスタンド跡地」を扱う。具体には都内幹線道路に面する約480㎡の四角形敷地(TYPE E:屋根と壁の分離した独立型)を想定。街に開かれた大キャノピーと頑強な防火壁、車道からの一方向アクセスを特徴とする。事業主は、資産価値向上とコスト軽減を図る土地所有者と、利用権をブロックチェーン(RWA/NFT)で小口証券化する分散型所有プラットフォーム事業者の共同事業体とする。

跡地は地下タンク撤去・土壌汚染浄化に1,000万円超の初期費用を要し、その障壁ゆえに長期放置か、駐車場・コンビニ・更地化開発といった単一的で消費的な転用に陥りやすい。しかし都心6区の分析では、現存店舗の約8割が独立建物、約8割が角地、かつ低層という特性を持つ。過密な都市において光と風を通し、街路への高い視認性と開放性を担保する稀少な物理的資質である。この物理的優位性を活かし、地域コミュニティと住民需要を継承して都市文脈の切断を阻止することが、本空間を扱う根拠である。

「既存構造」×「設え」×「権利システム」を統合し所有のあり方を再定義する。閉業から新築までを暫定利用期間と定め、利用床面積・日数をNFTとして小口発行・売買する。所有者は初期工事費を早期に調達でき、個人や小規模事業者も低価格で都市空間の「利用的所有者」となる。核心は地上権・賃借権を応用した権利継承で、建替え後も利用権は消滅せず、新築建物の一定割合の床面積利用権へ優先的に変換される契約をチェーン上に組み込む。①暫定利用期:キャノピーと防火壁を継承し、内部にコンテナや鉄骨グリッドでシェアキッチン・コインランドリー・小口ロッカー等を配置。地下タンク跡の空洞は埋め戻さず親水プールや雨水貯留池へ転用する。②既存解体:地主の合意で再開発を開始し、権利変換スキームが発動する。③新築竣工期:低層部へ暫定期の人と機能を移植し、上層に住居・オフィスを積層。大屋根のスケールはピロティやアトリウムとして継承し、低層専有床はフリーアクセスの可変構造としてトークン売買に応じ用途が更新され続ける。物理的な建物が姿を変えても賑わいが途切れない、都市文脈の切断阻止と経済的合理性を両立する都市更新を実現する。

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