CREATIVES

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あわい

ガラスは磨くと透明になって、自らの存在観を消してしまいます。
しかし実際には硬く、比重の大きい、石のような素材です。透明なガラスを荒いヤスリでけずるとガサガサして、白く不透明で、石のようです。完全に磨き上げると、窓ガラスのように、ツルツルで素通しになります。同じものなのに、加工方法で、こんなに印象が変わります。
私はガラス作品を鋳造してから削り、磨いて制作しています。半透明ですが、サンドブラストは使用していません。削り、磨き上げていく行為によって、「やわらかな形」、「半透明な透明感」、「するりとした手触り」が同時に生まれます。私はこの3つの一致を大切にして制作しています。磨き工程の後半は手磨きで行います。作者の手の動きはそのまま形となって痕跡をとどめます。目を閉じて、ゆっくりと作品の上に指をすべらせてみてください。
本作《あわい》では、「ある」と「ない」のあいまいな境界を触覚的に表現しました。完全に磨き上げず、半透明になるまで磨いたとき、ガラスの表面は、人肌のような滑らかさになります。そよ風が肌をなでるように作品上を動き回ることをイメージして、有機的でシームレスな形を作りました。

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