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オープン・ハンドサイクル

その他
TIK
 特別支援学校の児童を対象として、オリジナルのハンドサイクルを使用し外出を支援する活動を実施している。
ハンドサイクルは、手でクランクを回して進む手こぎ自転車のことである。車椅子に装着することで、車椅子走行時の段差や溝などでの走行不能な状態や転倒のリスクを軽減することができる。さらに、小さなストロークにより早い速度で前進するために行動範囲を広げることができる。そのため、車椅子利用の有無に左右されずに家族や友人と同じ時間や速度感を共有することを可能とする。車椅子利用者には限られた有酸素運動を可能とし、海外ではダイエットやリハビリなどでも利用されている。車椅子利用者の中には、自転車に乗ったことがないという人は少なくない。また、外出の走行時の転倒リスクや、他人からの介助を受けることを気にすることで、外出を敬遠する傾向がある。ハンドサイクルの導入により、こうした心理面や環境面での不安を軽減させる効果を得られることに着目するが、既存のハンドサイクルは非常に高額であり、乗車する機会そのものがない。

 そこで、誰しもがホームセンターなどで入手可能な材料のみを使用し、低価格で簡単に組み立てることを可能としたオリジナルのハンドサイクル「オープン・ハンドサイクル」を開発した。「オープン・ハンドサイクル」は溶接などの特殊技術を必要とせず、カットや穴あけ等の工程で作ることができるため、自宅でも組み立てることができる。また、車椅子の形状や成長に合わせてサイズを変えることも容易に行えるようになっている。なお、「オープン・ハンドサイクル」の加工・組み立て方法、3Dプリンター用のデータをウェブ等で公開を予定している。将来的には障碍者就労施設に3Dプリンターを導入し、3Dデータを出力してもらうことで就労に繋げられるのではないかと考えている。

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