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マーブルマシン “万華鏡(Kaleidoscope)”

その他
■概要
台を上下運動させることでビー玉がコースを進んでいく装置です。
コースはパーツを組み合わせて自由に作成できます。
ビー玉の動きはすべて論理的に決まるので、それを想像しながらうまくコースを配置していく必要があり、その作業はコンピュータプログラミングに似た楽しさがあります。また完成したものを実際に動かすと、そのビー玉の動きや音が脳に不思議な高揚感(いわゆるASMR)を与えてくれ、それ自体をキネティックアート(動く芸術)として楽しむこともできます。


この装置による玉の挙動は実際に見ないと説明しずらいので、参考となる動画が以下のリンク先にあります(本人が2020/6/4に作成しアップロードしたものです)。
https://youtu.be/87fzwSqRi88

仕組みは単純でも複数の玉が相互作用することで、想像を少し上回る動きが生まれるところがこの装置の面白いところです。

この装置ではコースは固定されていますが、このコースを自由にカスタマイズできれば「遊び」や「学び」の価値がより高まるのではないか、という発想からさらに汎用性の高い仕組みを考案しました。

■基本原理(画像2枚目)
コースとなるブロックは「足」のない「Aパーツ」と「足」のついた「Bパーツ」の2種類があります(図1)。以下このパーツをA, Bと書くことにします。

それぞれのパーツはレゴブロックのように台に固定できます。台は上下2層に分かれていて、同じ位置に穴が開けらけていますが、上層の穴の径が下層に比べて大きくなっています。この径の違いにより、Aパーツは上の層に、Bパーツは下の層に固定されます。これにより上の層を持ち上げたときに2つのパーツの相対的な位置関係が変化することになります(図2、3)。

レールに置かれたビー玉は上の層を持ち上げたときにAからBに移動して止まり、元の状態に戻したときにBからAに移動して止まります(図4)。A、Bを交互に配置すれば、台の上下運動を繰り返すことで、ビー玉はレールの上を進み続けます。これがビー玉が動く基本原理となります。


■コースの設計(画像3、4枚目)

コースの形状は「右カーブ(R)」「左カーブ(L)」「交差点(C)」の3種類があります(図1)。さらにパーツの形状として先に説明したA、Bがあるので、合計6種類の部品があることになります。

平面を正三角形で分割したとき、R, Lは隣り合う3つの正三角形からなる台形の位置を占め、Cは正三角形6つからなる正六角形の位置を占めます。したがってパーツを正三角形の組み合わせで表記すれば、紙の上でコース設計をすることができます。ビー玉の進む原理を考えればAとBは必ず交互に配置する必要があることに注意が必要です。

図2〜4はコース設計の例です。

RとLは玉の動きは固定されますが、Cについてはその場所に玉が1つだけくるか、2つ同時にくるかで玉の挙動が変わります。ここが変化に富んだ玉の動きを生み出す鍵となっています。

コースは図面に描いて計画的に組み立てることもできますが、実際にコースを配置しながら試行錯誤していくのも楽しいものです。途中で台座を上下して玉の動きを確認することが簡単にできるのがこの装置のいいところで、プログラミングにおける「実行」と「デバッグ」による設計を物理的に体感することができます

■台座を上下する仕組み(画像5、6枚目)

台座の上下は組立時は手動で行いますが、完成した後はこれをより簡単に(あるいは自動で)できる仕組みがあるのが望ましいでしょう。

これは図のようなカムの機構を使って実現できます。この機構の上に2枚の台座を固定すれば、ハンドルを回すことで下の台座が上下運動をします。

試作品の挙動はこちらの動画で確認できます。
https://youtu.be/tKYBwhchkgA

■トータルなデザイン
「台座を上下する仕組み」で用いた箱は、そのまますべての部品を収納できる箱となり、「台座」はこの収納箱のフタとなるようします。

概要

基本原理

コースの設計1

コースの設計2

台座を上下させる仕組み

試作品

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