- 227
北風と太陽の子の物語
//「パパもママももういないの、いない」悲しみにくれた少女は着る服もすり切れ、食べ物も底をつき、独り砂漠を行く当てもなく歩いていました。それを見た北風は少女を愛しました。凍てつく風をピュ?ピューと吹かせながら。それを見た太陽もまた少女を愛しました。焼きつくような炎を一層身にまとわせながら。そして容赦なく照る火は少女の体力を奪い、凍えるような突風は少女の体温を奪いました。空へと舞い上った少女は彼らの永遠の愛と尽きる事のない慈しみを得て、幸せに暮らしました。 この世界は悲しみに満ちているから、、//
