CREATIVES

  • 2808

シンプルな現代の七輪のデザイン

手間を楽しむデザイン

未来の価値観を想像し、未来の人はどんなことで幸せや豊かさを感じるのか?
恐らくそれは、「時間」、「手間」ではないでしょうか。

現代の製品は、手間いらず、時短をうりにした商品が多く存在します。それは、忙しい現代で必然的に生まれた要求です。50年後には、家事ロボットが普及して、リニア開通していて、かなりな時短で便利な世界になっていることでしょう。
しかし、そうした便利な商品のみを使い、コンビニエンスな生活をしていくと、どこか心が満たされない、そんな気持ちに気付きます。

社会にデザインされた生活、面白味の無い生活、何のこだわりもない生活・・・・・


世の中にはものが溢れ、経済が縮小していくにつれ、何かを買うことで満たされていた人間の心が、ものを買うことでなく、経験・体験をすることで満たされていく世の中になっていくでしょう。

現代でもその流れはあります。
・コーヒーはインスタントでなく、ドリップコーヒーをのむ。
・干し野菜をつくる
・ぬか床をもつ
・アイロンをかける
・服を自分で仕立てる
・シャーペンでなく、鉛筆を削って使う。   など

何かにこだわり、手間をかけることで、人は幸せを感じるのではないでしょうか。
その手間が充実感を与えてくれるのではないでしょうか。

もちろん、全てにおいてこだわりをもち、手間をかけることは不可能でしょう。
しかし、自分の興味のあるこだわりたい部分のみに手間をかけることは可能であり、
主流の考えになると思います。また、他の人がこだわらないところに、自分だけのこだわりをもつということがステータスとなるのではないでしょうか。

上記より、今後は手間を楽しむ商品群が、未来の消費者の要求となると考えました。

そして、今回はそのコンセプトに該当する「七輪」をデザイン対象としました。

肉や魚を炭火で焼いたり、遠赤外線効果もあり、おいしく調理することができます。後片付けやセッティングなど手間はありますが、その手間と食べた時の喜びが人の心を満たすことのできる製品だと思います。
主要材料である珪藻土は軽くて断熱効果が高く、炭が長持ちするなどの利点があります。

スタイリッシュな現行品は、スタイリングをすっきりするために、補強金物を付けてません。
しかし補強金物があると無いとでは、耐用年数が全然違ってきます。補強金物は、主要部分である珪藻土部分に熱によるひび割れ等が生じたときの形状保持の補強となります。
そのため、スタイリングを損なわないように補強金物をデザインしました。
また、火加減を調節する役割を持つ空気口も適切に設けました。

古来より受け継がれてきた工夫を、スタイリングのために排除することなく、うまくまとめたデザインです。

商品化のお話お待ちしております。





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