HAPTIC DESIGN AWARD

見る・聞くデザインから、身体を通して「つながる」デザインへ。

私たちは、日々の生活のなかで様々な人やモノと触れ合い、身体に偏在する「触覚」を通じて関係性を築いています。

人の五感の一つである「触覚」のデザインは、素材の触り心地や情報の伝達方法として、デザインの現場で大切にされながらも、今日まで名前もなく、体系化することもありませんでした。

ビジュアルデザインやサウンドデザインなどの「視覚」「聴覚」のデザインと同様に、「触覚」デザインを「HAPTIC DESIGN(ハプティックデザイン)」と名付け、身体を通じて人やモノを繋ぐ、新たなデザイン領域にチャレンジします。

HAPTIC DESIGNとは?

「触覚」とは、身体を通じて自己や外界を認識する感覚です。

それは、皮膚の触れ合いを通じてモノの「質感」を感じる感覚であり、対象や自分の存在をたしかめる「実感」の感覚でもあり、また喜怒哀楽や共感などの「情感」とも深く関係しています。

HAPTIC DESIGNは、この3つの特徴的な側面を意識的にとらえ、人と外界との身体を通じた関係性をデザインします。


過去の受賞作品

2017年 グランプリ『The Third Thumb』by Dani Clode

The Third Thumbは、3Dプリンターでつくられた、足で操作する“拡張した親指”です。親指は人間特有のものであり、ユニークでダイナミックな動きをします。3Dプリントした柔軟に折り曲げできる「リビングヒンジ」を、2つのモーターが引っ張ることで自然な親指の動きを再現。足先に取り付けた2つの圧力センサーでコントロール、Bluetoothを介して親指と通信する仕組みです。車の運転やミシンの使用、ピアノの演奏など、手と足の間に存在する強いつながりを、より発展させる製品からインスピレーションを得ています。

2016年 グランプリ『稜線ユーザインタフェース』by 安井 重哉

本作品は新しいスイッチインタフェースのコンセプトプロトタイプです。このインタフェースは、立体的な段差や障壁などの知覚的稜線によって区切られた、二つ以上のタッチセンシング領域によって構成されています。既存のスイッチのように「ボタンを押す」、「指定された面を触る」といった操作ではなく、「指をスライドさせて知覚的稜線を超える」という動作をスイッチ及び触覚フィードバックの生成源として利用します。これにより、不意の誤動作が起こりにくいという特性の他に、単純な構造による高い造形自由度を持たせることができました。本作品は、立体造形による視覚と触覚の両面からの情報デザインの世界を開拓します。

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