KIGI x OFS presents『白金五丁目アワード vol.3 - アート』部門 結果発表!
昨年からスタートしました『白金五丁目アワード』。第3弾のアート部門では、ジャンルを問わず、OFS Galleryで実現可能な表現の企画での募集を行いました。昨年の二次審査の後、白熱した議論のなか、実際の作品を見てみたい!という審査員の強い要望もあり、なんと急遽3次審査を行う事が決定し、4人の作家によるファイナリスト展を今年の6月から10月にかけて開催しました。
各作家が実際の作品をOFS Galleryで展示し、期間中には作家自身より審査員に向けて作品についてのプレゼンテーションを行って頂きました。長く時間がかかってしまいましたがファイナリスト展を経て、今回アート部門のグランプリを遂に発表いたします!
アート部門総評
岡野晃子(ヴァンジ彫刻庭園美術館副館長)
AWRDのアート部門では、4名のファイナリストそれぞれが個展を開催する機会を与えられ、審査が行われた。いずれの作家も、その作家性が際立つ、印象に残る個展を実現した。
グランプリを受賞した原裕子は、長年に渡り陶芸素材を扱い、シャモットという素材と出会うことにより、独自の表現手法を生みだした。直接手で土に触れ、微細な指の動きで素材との親密な対話をかさね、形づくられた作品が生まれた。その有機的な物質が何であるか、誰も名付けることはできない。それは現代日本に失われつつあるアウラを微かに纏いながら、遠い未来に発見されるべく化石のようにそこに在るのだろうか。今回のAWRDでは、独自の経験の蓄積から獲得した表現手法により、丁寧な素材との対話、手しごとの痕跡を残しながら制作活動を行う原裕子が、現代の美術におけるメディアの多様性、その可能性を示したとして評価された。
グランプリ
タイトル
「ゆくりめく」
Creator
Comment
原の作品は砂状の素材を高温で焼き固めて作り上げている。
自身が見つけたこの技法をもとに、感覚的に手を導かせながら形を探っていく。決まった形を作るのではなく、目の前の情景と素材のあいだを行き来しそれらと身振り手振りで呼応しながら制作をしていく。
ファイナリスト
タイトル
In the cloud
Creator
Comment
「浮遊し、こぼれ落ちる記憶」をテーマにした絵画のインスタレーション。 作家が2009年にメキシコで゙出会った奉納画「エクスボト」から影響を受け、制作し続けている手のひらサイズの絵画のシリーズを無数に展示します。