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作品タイトル(日本語)
帰省されるイヤー
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作品タイトル(英語)
Ear-Shaped Homecoming
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制作物のコンセプトを記載してください。
小さな音を前提としたオンラインパフォーマンスのために耳型マイク装置「ハッピーニューイヤー」を制作し、実家の離れた母親と一緒に"耳かき"と称したセッションパフォーマンスを行った。実家には左耳を送り、制作者は自宅で右耳を耳かきすることで、イヤホンを着けた視聴者は両耳を親子に耳かきされているような音響を鑑賞する。
コロナ禍での音楽活動を通して、従来のライブパフォーマンスようなに空間を共有する聴衆に向けて演奏音を拡声する必要がなくなり、小さな音や実験的なマイク装置にフォーカスしたオンラインパフォーマンスの可能性に気づいた。そこで普段のパフォーマンスでは目立たない(透明化したメディア)マイクの存在感を主張するため、巨大な耳の形のマイク装置を考案した。このパフォーマンスの未来には、フィールドレコーディングやASMRのような「聴くこと」に重点を置いたコロナ以降の新しい音楽表現があると考える。
またパフォーマンスを実施したゴールデンウィークは緊急事態宣言が発令されており、高齢になった両親のことが心配であったが、自身が感染源となるリスクを考えて帰省を断念した。しかし、なんとか触れ合う機会を持ちたいと考え、自身の耳を3Dスキャンして制作した耳型マイク装置を実家へ送り、母親に耳かきしてもらい、オンライン上での身体接触の機会を試みた。パフォーマンス当日は私の誕生日だったこともあり、パフォーマンス後にはサプライズでケーキを用意してくれていた。
総括すると、音楽家・サウンドアーテイストとして、コロナ禍での自身の関心となった小さな音と実験的なマイク装置にフォーカスした配信パフォーマンスが実施できた。また市民として、高齢の親へのケアと感染リスクを判断して、帰省すべきか悩む経験はコロナ社会での共有できる痛みであり、社会的な痛みをユーモラスな装置とメディア技術を用いて乗り越える姿を示せた。 -
制作物のコンセプトを記載してください。(英語)
For an online performance that focus on a small sound, I created an ear-shaped microphone device "Happy New Ear" and performed an online session called “Earpick" with my mother that is at parent’s house in the distance. By sending the left ear-shaped microphone to the parents' house and I cleaning to the right ear-shaped microphone at home, the performance viewers wearing earphones listen the binaural sound as if both ears were being picked.
Through my musical activities at COVID-19 pandemic, I realized the potential for online performances focused on small sounds and experimental microphones. Therefore, in order to insist on the presence of a microphone that is inconspicuous (transparent media) in ordinary performances, I devised a big ear-shaped microphone device. In the future of this performance, I think there will be new musical expressions after COVID-19 pandemic with an emphasis on "listening" such as field recording and ASMR.
In addition, a state of emergency was issued during Golden Week that is a special holiday in Japan, when the performance was held. I was worried about my elderly parents, but I gave up going her house because of the risk of becoming an infection source. However, I wanted to have an opportunity to get in touch with her, so I sent an ear-shaped microphone device made by 3D scanning my ears to my parents' house, had my mother pick my ears, and tried an opportunity for physical contact online. Since it was my birthday on the day of the performance, my family prepared a birthday cake as a surprise after the performance.
In summary, as a musician and sound artist, I was able to perform a distribution performance focusing on the small sounds and experimental microphone devices that I was interested in at COVID-19 pandemic. Also as a citizen, the experience of caring for older parents, judging the risk of infection, and wondering whether to go home is a shared pain in COVID society. And I been shown to overcome social pain using humorous devices and media technology. -
作品の素材・仕様
寸法:350*350*400mm^3
重量:1200g
素材:MDF -
作品の素材・仕様(英語)
Scale:350*350*400mm^3
Weight:1200g
Material:MDF -
作品のリファレンスURL
https://note.com/play_a_day/n/n9cb663eb39b3
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作品の映像URL
https://youtu.be/SLQWBtpd5aw
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公式サイト、もしくはSNSのURL
https://oshimatakuro.tumblr.com/
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特別賞のテーマにどう作品が関連しているか説明文を記載
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帰省されるイヤー / Ear-Shaped Homecoming
コロナ禍においてライブ配信が盛んに行われているが、これまでライブハウスやコンサートで聴いてきたような「聴衆に向けて音が大きく拡声された音楽」を手元の小さなスマホ画面で鑑賞することに違和感を抱いた。一般的なライブ配信では、視聴者側のデバイスで音量が調整できるため、収録会場で大きな音を鳴らす必要がないのではないか。やがて、大きな音を用いる音楽表現よりも「小さな音や実験的なマイク装置を切り口とした音楽」の方がライブ配信と相性が良いのではないか、と考えるようになった。それはフィールドレコーディングやASMRのような「聴くこと」に重点を置いた音響体験の未来を予感させる。
話は変わるが、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言のため、今年のゴールデンウィークは実家に帰らないつもりだ。親への感染リスクを考えると仕方ないが、長らく親と会えていないので何とか触れ合う機会を持ちたいと考えた。 そこで自分の耳を3Dスキャンして制作した巨大な耳型マイク装置「ハッピーニューイヤー」を実家に送ることにした。耳型マイク装置を息子の耳だと思って「耳かき」をしてもらい、その音を配信する。様々なことが規制される年に、私は耳になって帰省する。(モデリングサポート:水口翔太)
話は変わるが、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言のため、今年のゴールデンウィークは実家に帰らないつもりだ。親への感染リスクを考えると仕方ないが、長らく親と会えていないので何とか触れ合う機会を持ちたいと考えた。 そこで自分の耳を3Dスキャンして制作した巨大な耳型マイク装置「ハッピーニューイヤー」を実家に送ることにした。耳型マイク装置を息子の耳だと思って「耳かき」をしてもらい、その音を配信する。様々なことが規制される年に、私は耳になって帰省する。(モデリングサポート:水口翔太)