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作品タイトル(日本語)
1円奨学金
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作品タイトル(英語)
1-Yen Scholarship
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制作物のコンセプトを記載してください。
1円奨学金とは私が私のために作った自殺防止装置であり、同時に生命と可能性の賛歌である。
「A:ルール」
1円奨学金では選ばれた13名の奨学生に1年間毎月1円を送金するというものだ。6名は給付型奨学金であり、6名はマイナス金利による貸与型奨学金(返済金額は彼らが自由に設定でき返済をしなくてもいい)。残りのもう1名はバグ、トランプのJOKERみたいなもので、特別ルールを設定している。
「B:生存確認」
1円を送ることそれは自分の生存を他者に知らせることに繋がり、受取手の生存を私が知ることになる。1円を送金する行為により、奨学生と私含め14名の生存確認が毎月行われる。私は去年の10月に友人を交通事故で亡くした。彼とは彼が亡くなる前日の晩に会っており、訃報が届いたのは彼が亡くなってから2日後だった。当時の私は所持金が71円しかなく、彼は大手企業に勤め毎月数十万貰っていた。私は様々な生きづらさから自殺を考えていたが、彼の死によって金の有無は生死には直結しないことと金が無いことを理由に自殺を図るのはやめようと考えた。奨学生に1円を毎月送る必要があるので私は死ねない。
「C:1円奨学金の未来」
現在は1円奨学金は1月に1円(年12円)の規模だがこれを1日1円、1時間1円、1分1円、1秒1円にしていくと年間の給付額はそれぞれ365円、8760円、52万5600円、3153万6000円になる。これはすごい額だ。年々少しづつ規模を拡大すれば1円奨学金のインパクトは大変なことになる。また毎月1年ならどんなに私がジリ貧でも継続できる。
「D:1と0と可能性」
1円を送れる、受け取れるということは、お互いの生存確認である。死んだ彼に1円は送れない。1円を受けれ取れる状態というのは、今後も1円を受け取り続ける最低条件であり、生存とは様々なものへのアクセスを可能にする。つまり1円奨学金とは生命と可能性への賛歌である。 -
制作物のコンセプトを記載してください。(英語)
1-Yen Scholarship is a suicide prevention challenge, I made for myself, and at the same time a hymn of Life and Potential of human being.
"A: Rule"
With the 1-Yen Scholarship, 1-Yen will be sent to the selected 13 scholarship students every month for one year. 6 are benefit-type scholarships, and 6 are loan-type scholarships with negative interest rates (the repayment amount can be set freely by them and they do not have to repay). The last one is a bug, like Trump's JOKER, with special rules.
"B: Survival confirmation"
Sending 1-Yen will inform others of your survival and I will know the recipient's survival. By sending 1-Yen, 14 people including scholarship students and myself will be confirmed to be alive every month. I lost my friend in a car accident last October. I met him the night before he died, and the news arrived two days after he died. At that time, I had only 71 yen, and he worked for a major company and received hundreds of thousands every month. I was thinking of suicide because of various difficulties in living, but I decided to stop trying to commit suicide because his death did not directly lead to life or death and there was no money. I can't die because I have to send 1-yen to the scholarship students every month.
"C: The future of 1-Yen Scholarships"
Currently, the 1-yen scholarship is 1 yen (12 yen a year) a month, but if you increase this to 1-yen a day, 1 yen per hour, 1 yen per minute, and 1 yen per second, the annual benefit amount will be They will be 365 yen, 8760 yen, 525600 yen, and 31,536,000 yen, respectively. This is a tremendous amount. If the scale is expanded little by little year by year, the impact of the 1-Yen Scholarship will be great. Also, if it's one year every month, I can continue no matter how poor I am.
"D: 1 and 0 , and its possibility"
Sending and receiving 1-Yen is a confirmation of each other's survival. I can't send 1-Yen to him who is dead. Being able to receive 1 -Yen is the minimum requirement to continue receiving 1-Yen, and survival allows access to various things. In other words, the 1-Yen Scholarship is a hymn to life and potential. -
作品の素材・仕様
note、Facebook、Instagram、Twitterといった各種SNS及び、個人で発行している個人新聞によって奨学生を募集。選ばれた奨学生たちにはLINE payや現金などで毎月一円を送金、もしくは、手渡ししている。
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作品の素材・仕様(英語)
LINE pay, 1-yen coin
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作品のリファレンスURL
https://note.com/chamereooon/m/m40feeebfa8ce
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作品の映像URL
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公式サイト、もしくはSNSのURL
http://shinzomakoto.com/
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特別賞のテーマにどう作品が関連しているか説明文を記載
1円奨学金は、その額の手軽さから誰もが行える奨学金です。松下幸之助氏が安価に家電を提供することで目指した「水道哲学」の実践を、奨学金の分野で行なっています。今コロナにより様々な人が経済的困窮に喘ぎ、2つの大きな困難を見つけました。一つは金銭的困難。もう一つは他者との繋がりの困難さです。奨学金を多くのお金がある人や団体だけが行うものではなく、市民運動として誰しもが手軽に奨学金を設立し、経済的の可能な範囲で行えばいいのです。去年の10月に71円しか所持金がなかった私ですら1円奨学金を始めることができ、毎月13名の方々にお金を送っています。私は1円奨学金の実践と繁栄により奨学金の「大衆化・民主化」を図り、受給者より供給者の方が多い世の中を作ります。
先が見通せないVUCAの時代において、役に立つのはお金だけでなく、信頼できる他者やコミニティーの存在です。1円奨学金は、その額の少額さからか、非常にユニークな人々からの熱意ある応募書類が届きました。初年度に当たる2020年は26名の応募があり13名を採択しました。どのような人々と今後の未来を作って生きたいかを考えた時に、この1円奨学金を面白がってくれるような、世代を超えた人々の存在というのは大変貴重なリソースになります。1円奨学金という存在は、1円という最小単位から経済と人の繋がり、人間の可能性を問いただす壮大な社会実験の第一歩なのです。
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1円奨学金 -0と1をめぐる冒険-
1円を、決められた周期によって、奨学生たちに送っている。その周期は変幻自在で現在は1ヶ月1円だが、これが1分1円なら年間約52万円、1秒1円なら1年間で3200万円にもスケールする。この奨学金の目的は、経済的困窮者を救いたいわけじゃない。救う、とかそういうのではない。それは、国とか金持ちがやってくれと思います。私は私が生き残るために、そして生きていることをこの奨学金を面白がってくれるような他者と分かち合うためにこの奨学金を始動しました。自分の素晴らしい思いつきを、金なんてものを理由に諦めず、できる範囲でやればいい。そう決心して1ヶ月1円を、厳選された13名の奨学生たちに送っています。1円のやり取りは相互の生存確認の証明になり、それはあらゆる生命の可能性を問うことでもあります。なにより、私はモノをもらうよりも、明日も生きたいと思わせてくれる人との出会いの方が貴重で嬉しいのです。