たおれてもこぼれないコップやペットボトルの用具

キッズデザインのポイント
介護のために開発した商品だが、子育て中のお母さんからの支持も高い。
たおれてもこぼれず子どもがコップやペットボトルなどから飲むときに便利である。飲み口から出る量は少しずつであり、むせることも少ない。また、セットははめるだけで簡単にできる。そして、洗うときもひっくり返せばすみずみまであらえる。また、煮沸消毒や電子レンジでの消毒、薬液消毒などが可能で、衛生的に保ちやすい点である。
素材は、医療器具や哺乳瓶のニップルなどにつかわれる安全性の高いシリコーンであり、日本国内工場で製造している。（食品衛生法適合）

開発の動機
脳梗塞で手が震え握力の弱くなった父親の介護を行ううち、「こぼさずに飲む」ことの難しさを痛感した。本人にとってもこぼすことで「はずかしさ」「申し訳ない」などの精神的な負担があり、また、着替えの介助、周囲を拭くなど介助者の負担も大きい。調べてみると、「水をこぼさないように注意する」「こぼさずに飲む」ことは高齢者に限らず、子どもから大人まで多くの人が問題として感じていることがわかった。これら問題を解決し、少しでも負担を少なくするために商品開発をすすめた。

デザイナーの想い
本商品は、デザイナー自身の介護経験から生まれた。きっかけは、高齢の父親が水をこぼすことが精神的な負担となり水を飲まなくなった結果、病気が深刻化することにつながったことです。医者は病気が治せるがデザイナーとして何が出来るだろうという想いがもとになっている。「できるだけ少ない部品で完結させる」「洗いやすく・組み立てやすい」「身体に優しい材料を使う」ことで使用者にとってそして周囲でサポートをする人が使いやすいものになるようデザインした。構造はのどの声帯から創造し、シリコーンの復元力と柔軟性をうまく活用してふってもこぼれない構造を実現し、特許を取得。また部分的に厚みや硬度を調整して、飲みやすいように形状化した。