本装置は、インスタレーション作品「vibes、ゆれる」のために制作されたものです。
振動アクチュエーターの技術的な進歩により、Haptics分野では多彩な振動表現が可能になっており、特にゲーム分野での活用は顕著な例として身近に目にすることができるようになりました。
スマートフォンに搭載される振動アクチュエーターも進歩しており、Apple社は現在ではiPhoneやMacbookにTaptoc Engineを搭載。細かな振動制御により、クリックやタップなどの擬似触覚の提示が可能になっています。
しかしその一方で、私たちの生活における携帯電話のバイブレーションによる通知は、本質的にはあまり進化していません。メッセージが届いたら機体が震え、それによりメッセージの確認を促すというコミュニケーションの設計は長年変わらないままです。
「vibes、ゆれる」では2台のiPhoneそれぞれに取り付けたダウジングペンデュラムを通して、通知における振動の表現の可能性、そして私たちがどのように振動から情報を受け取ることができるのかを考察していきました。iPhone6とiPhoneXという一対の機種には、Taptic Engineの導入前後という大きな違いがある一方で、通知における振動の受け取り方はアップデートされていません。
振動の送信側から見たアクチュエーターの進化、振動の受信側から見たダウジングによる超感覚的知覚。両者を参照しながら通知受信における振動コミュニケーションの次の形を対話的に探っていくことを目的とした作品および、そのための装置です。
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MON, MAR 07, 2022 Updated
インスタレーション作品「vibes、ゆれる」での使用の様子
通知を受け取るiPhone
通知内容を読み解くためのダウジングペンデュラムとチャート