CREATIVES

  • 8

bent flower

Product
自らを写し出し、共に変化するカレンダー

この作品は京都と東京で行った、『カレンダーと人との新たな関係』展 に向けて制作したものである。展示に向け、カレンダーの歴史と現在の暮らしに於ける位置づけを整理し、カレンダーが人に与え る影響について深堀した。その後、人とモノとの関係を考え直す探求の成果として展示会を行った。

展示作品を制作する上で日々変化する感情に注目した。何気なく過ぎ行く様に感じる生活の中にも嬉しかったり、悲しかったりする日が存在するはずである。その見逃し、流れてしまいそうな些細な感情を丁寧に浮かびあげさせ、その日々の感情が連なって自分が形成されていることを後からも感じれる作品を制作しようと考えた。

bent flower はそのままでは未完成なカレンダー。花びらの裏側に日付が書かれている。1日の終わり、その日の花びらを摘まみ、自分と対話し、花びらを折っていくことで自分と呼応し変化していく。上にあげるとポジティブ、下に下げるとネガティブといったようになっており、その度合いに応じて折る角度を変えていく。そこから花に自分の感情、生きた証が花びらの変化として蓄積される。

花びらは上下磁石によって固定されているため簡単に着脱することができ、1ヶ月ごとに花びらは交換するようになっている。12種類の異なる形の架空の花を用意しており、花瓶も上下、大小異なる12角形になっており、直線ではなく斜めに繋げることで変化する日々を表現した。また花びらの背面に日付が記載されていることから空間にも馴染み、ほかの人が見ても気づかない自分だけのカレンダーになることを目指した。

その日に抱いた感情の起伏に応じて一枚の花びらを折ることで今日の自分を見つめ、その積 み重ねで日を追うごとに花の見た目が変化していくカレンダー。

Back