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moss ARIMATSU

moss ARIMATSUは、有松(名古屋市緑区)の明治時代に建設された住宅(離れ)をリノベーションして生まれた、キッチンのあるコミュニティスペースです。古民家のリノベーション・産業廃棄物の転用・コミュニティの活性化を目指す本施設は、循環型社会における複合的な活動拠点となることを目指しています。
数十年間も空き家状態が続いたこの施設は、継ぎ手など伝統工法による修繕をおこない、既存部材の50%以上を継続して使用しています。また、有松絞りの制作過程で生まれる「くくり糸」や放置されていた生地などから生まれた左官材で地域文化の顔となる壁面を制作。同じ地域内で製造された産業廃棄物となったタイルをカウンター壁面の仕上げに選定しています。
高齢化に伴う産業縮小やものづくり文化の継承問題に直面する有松・鳴海絞の産地において、地域が持つ歴史的なものづくりに共感をしながらも、異なる技術や文化と触れ合う機会としてmoss ARIMATSUは計画されています。新たな活動が生まれが長く続くように願いを「萌す/moss」に込めたこの場から、この地域ならでは持続可能なヒト・モノ・コトの交流が絶えず広がっていくように。

moss ARIMATSU

くくり糸を混ぜて制作したしっくい壁

moss ARIMATSU内観

既存の部材は継ぎ手でなるべく継続使用した

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