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しなって、ふれる

この作品は、2枚の金属板がしなって触れ合うことでスイッチとして機能する、非常に単純な構造物です。
上部でごくわずかに接触している状態を“オン”、離れている状態を“オフ”と定義し、接点に導通機構を仕込むことで他の電気機器を制御できます。
板は自重によりわずかにたわみ、安定した状態で保持されるため、制御のための外力や電源を必要とせず、構造そのものがスイッチの状態を決定します。
スイッチとは単なる制御装置ではなく、「力」と「構造」のバランス点に生じる“接点”であるという考えから出発した試作です。
本作は、構造的な必然がもたらす、最小限のふるまいによる制御の美しさを問うものです。

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