画像生成AIと人間が協働することで制作した音響作品。
この作品は、実際にある建築物の特徴(素材や構造、平米数、様式など)をプロンプトとしてAIに入力し、生成された多様な「建物を表す画像群」を統合することで、それを図形楽譜に置き換えて音を奏でるプロジェクトである。この作品は3つのプロトタイプから成り、アクリルレコード、触覚オブジェクト、そしてそれらの触覚的な経験から得られた感覚や情報をもとに、生成画像へ音楽的指示(テンポ、音程、音色)を書き込んだ図形楽譜である。完成した図形楽譜は、プログラミングによる演奏によって音響化した。
この作品を通して、AIと人間が誤解し合うことを表現として組み込むことを意図した。この作品の中で、AIは実際の建物そのものに合致する画像を描画することはない。同様に、私が図形楽譜を解釈し演奏する際も、私はAIが意図する音響を演奏することはないだろう。このプロセスを通して、「人間が命令を出し、AIが答える」「意図した通りの精度の高い出力を行う」といった一方向的な関係ではなく、AIと人間がそれぞれ意図しない方向へと向かう。このようなエラーやノイズとなりえる関係性を、人間はむしろ創造性と読み替えてきた歴史がある。この作品はAI時代における、機械と人間の創造的な相互関係の可能性を見出す試みである。
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THU, JAN 15, 2026 Updated