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思い出スキャナー ー8mmフィルムで記憶を繋ぐー
昭和40年高度経済成長期にブームとなった8mmフィルム。現代の動画撮影に比べ、コストも手間も大きい中、運動会や旅行、日常の一幕などを記録しようと多くの方が買い求めました。8mmフィルムを含むフィルムの映像の柔らかい描写と適度な粒状感は、人間の記憶のぼやけと近く、「思い出」を再現できるメディアの一つとも言われています。当時の主な撮影者は、今では80~90代になっていると予測されており、かつて家族の「思い出」や地域の記憶を記録していたフィルムは、処分や死蔵の危機に晒されています。加えて、愛知県には公私問わずフィルムの保存機関が存在せず、所有者の寄贈による保存や適切な管理体制が他の地域に比べて構築しづらいことから、それらの救出が急務です。本プログラムは、そんな一般家庭の記憶装置である8mmフィルムのスキャナーを自作し、ComoNeという空間でフィルム収集を呼びかけることによって、それらをデジタルスキャンし再び現代に甦らせることを目的としています(※デジタル化に耐えうる状態のフィルムに限る)。8mmフィルムスキャナーは家庭用として5万円程度で販売されていますが、自作することによって、その構造への理解が深まり、得た知見を自分の言葉でしっかりと周囲に伝えられるようになると考えています。また、8mmフィルムのデジタル化サービスも存在していますが、料金や手間がかかることに加え、映像を幅広く公開する機会を損失しているとも言え、今回このような広がりの見込めるプログラムを企画するに至りました。フィルムは、クリーニングと適切な保存処理を施したのち、所有者のもとにデータとともにお返しし、メディアの寿命を少しでも延命したいと考えています。そして、それら映像や、映像に記録されていた情報をまとめた文書(Qシート)やマップ、スキャンの過程、実物のフィルムを可能な範囲で公開し、実際に触れていただくことでコミュニケーションを創出したいと思います。最終的に、8mmフィルムとそのスキャンを通して、地域の方々の思い出を新しい世代へと繋ぎ、記憶の寿命を延ばすことを成果とできれば嬉しいです。
