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Schnellraumseher: Bouncing Ball

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「Schnellraumseher」は、実物体を用いた3次元空間アニメーションを再生するメディア装置である。3次元コンピューターグラフィックスによって制作したアニメーションの各フレームにおける物体を3Dプリントし、各物体を照らす局所光制御と回転制御をすることにより、3次元空間アニメーションを再生している。既存の実物体を用いた3次元アニメーション装置は、同一空間内に、位相差のある同一のキャラクターが同時に表示されるという特性を持っている。このようなキャラクターの唯一性に反する特性に対して、鑑賞者は1つのアニメーションを注視することでコンテンツ鑑賞をしていた。この鑑賞方法は、表現方法が3次元空間を用いたものであるにも関わらず、極めて2次元映像に近いものであると考えられる。本装置は局所光によって空間内のアニメーションの個数を選択ができ、回転制御によって空間全体を使ったアニメーション表現を可能にした。「Bouncing Ball」は、アニメーション表現において、非常にプリミティブな表現であり、落下運動という物理的な運動をしながら、潰しと伸ばしという非物理的な変形をする独特の表現である。この物理制約から離れた文化で誕生した物質性と非物質性を併せ持つコンテンツを物体によって表現することで、アニメーションの空間表現としての可能性を示し、2次元映像の文化で誕生した表現の変容を問いかける。

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