八太郎　作品集

　八太郎さんは、戦前の湘南生まれの湘南育ち。現在よし介工芸館の最長老。
八太郎さんが生まれた時代は、今のような福祉の整備がまだなく、親、兄弟から一人前の男として鍛えられ、様々な職歴を持つ。
　腰越海岸での漁師をはじめ、土木業、大工見習い等の経験をしている。そんな八太郎さんがアトリエで描く絵は、鉛筆と定規を使った幾何学模様が多い。作品のところどころに数字が描かれ、また、墨壷のような黒点を付け足しているのは、彼が大工見習い時代に覚えた仕事を彷彿させているようにも見える。
　色彩感覚がとても豊かで、何気なく作品に描かれた数字が、作品をより一層引き立たせている。