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本作品は主に合成された電気信号としての音響波形に楽器のボデーのように共振と共鳴を与え独自の「鳴り」(響き)を創造するものである。楽器の起振源となる弦やリードに相当するのが8cm程のスピーカーである。これを円柱形状の音響管に設置している。音響管は立体的な複合構造体で共鳴の起きる位置が空間に広がっている。このため従来のスピーカーはHi-Fiであっても全ての周波数が1つのコーン紙の位置であることと大きく異なる。スピーカーを振動源と捉え直し自由に創造した音をさらに固有の「鳴り」と空間的な広がりを実現することを狙いとする。サウンドデザインはスピーカーでは完結しないと考える。また、この作品に合わせ、音源として例えばヴァイオリンの1音からその倍音を逐次リアルタイムに取り出しメロディーを生成するDSPプログラムを作成した。これはテクノロジーを通して見える新たな自然を本作品は再び自然現象として定着し鑑賞者に提示する試みである。このような体験はイヤーフォンやPA等の音響体験が主流な現代において、刺激されにくい大脳での空間構成機能が働くことで自動化される環境において意識レベルを高め、あるいは保持する音響環境デザインに発展できるのではないかと考える。

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