COMPETITION

130年間変わらぬ製法でつくられた素材から、新しい未来を紡ぐ。

岡山県倉敷の伝統の素材である帆布を題材に、地域と全国のクリエイター、売り手がつながることを目的としたデザインコンペティション「HANPU! オカヤマ PROJECT ~クリエイターとつくる岡山発の帆布デザイン~」。帆布という素材の未来をつくるべく、100名近いクリエイターから合計123点の作品が集まりました。

プロダクトデザインにとどまらない柔軟な視点からジャッジ

集まった作品は、どれもハイクオリティな表現のものばかり。今回は、プロダクトが専門ではない方々に審査員を依頼し、新しい発想のデザインを評価していただきました。全員一致で決定した作品はもちろん、審査員の専門的な知見から、特に高く評価していただいた作品など、白熱した審査が繰り広げられました。

優れたデザインが多いだけに結論を出すのは容易ではありませんでしたが、「帆布であるということをしっかり考え抜かれているか」「帆布の未来が面白くなりそうか」「岡山に行きたくなるようなものづくりになっているか」・・・と審査員それぞれの視点やアイデアが交錯する審査となりました。最終的に、帆布としての素材の特性、販売を見越した際のインパクト、そして何より審査員をあっと言わせる斬新な発想が選出のポイントとなり、5点の採用が決定しました。

最優秀賞

Title

キャンバス・ウェディングドレス

Creator

仕立屋タケチヒロミ

Concept

ウェディンフドレスをオーダーで作っております。帆布を使って作るウェディングドレスです。18世紀のローブ・ア・ラ・フランセーズ風のデザインをアレンジ。コルセットの機能に丈夫な帆布がとても適しています。バイヤスにカットした帆布でタックを作り飾りにします。帆布は端も魅力的でデザインに活かせます。

  • Judge’s comment: 森美術館館長 南條史生さん

    ウェディング・ドレスが帆布でできているというのは、意外性がある!でも着ていると固いかなあ。しかし飾りの部分が面白くなりそうだ。提案の素描や部品の写真が上手い作品になっている。プレゼンの達者さが、グランプに結びついた。

  • Judge’s comment: AR三兄弟長男 川田十夢さん

    帆布に内在するカジュアルな手触りとローブ・ア・ラ・フランセーズ(初耳)のウェディングドレスとの組み合わせと明確なイメージが素敵だと思いました。

優秀賞1

Title

IPPON!ご祝儀袋

Creator

坂井浩秋

Concept

おめでたいハレの日に、景気のいい「一本!」の声が聞こえてきそうな ご祝儀袋 です。柔道着型の帆布でできたご祝儀袋で、水引が帯のようにしっかりと結ばれています。もらった人が柔道着を手持ちのぬいぐるみや花瓶などに羽織らせて身近に置くことで、ハレの日の思い出とともに、いつまでも身近に帆布を感じることができます。

  • Judge’s comment: AR三兄弟長男 川田十夢さん

    ユニークネスを以って、友人をお祝いしたいところだったので、ちょうど良かったです。ぜひ商品化してください。

優秀賞2

Title

帆布の年輪皿

Creator

久保里美、河瀬太樹

Concept

帆布を自然に巻き続けることでできる形からつくられた年輪のようなお皿です。
帆布は丈夫で長く使用できることから、木のように長く年を重ねていって欲しい、という想いで名付けました。
帆布を年輪状に巻くことにより、クッションの役割を持ち、果物などを置いても傷がついたりすることはありません。

  • Judge’s comment: PARTY CEO/京都造形芸術大学教授 伊藤直樹さん

    ダイニングに置く果物って、生き物ですよね。味も色も日々変化していく。その変化を支え、見守るお母さんのような存在になれるかもしれませんね。重くないかな?汚れないの?という世の中がイメージする課題を見事にクリアしたらバケそうですね。

優秀賞3

Title

HANPU STOOL

Creator

hito

Concept

シンプルな要素で構成されたスツール
パーツは、「リング」「帆布」「脚」の3パーツ
大小にリングの間に、帆布と脚を挟み込んで締め込めばSTOOLの完成です。
帆布の座面は、刺繍やレーザーで加工することでオリジナルを制作することが可能に。
帆布の座面は、優しくお尻を包み込んでくれます。

  • Judge’s comment: PARTY CEO/京都造形芸術大学教授 伊藤直樹さん

    「よーし、今日もつくるぞー!」と思わせてくれる、やる気イスです、これは。欲しいです。帆布のゴワゴワ感が物作りにほどよい緊張感を与えてくれますね。

優秀賞4

Title

帆布を使って巻き寿司になろう!

Creator

田崎咲絵

Concept

帆布をたくさんの人に知ってもらうためのイベントの提案です。
みんなが大好きな巻き寿司×帆布のコラボレーション。
コミュニケーションやリラックスする空間で、帆布と触れ合っていただき、帆布を広めます。
写真を撮りたくなるようなシーンを作り、SNSで拡散。

  • Judge’s comment: 森美術館館長 南條史生さん

    巻き寿司!遊びがあっていい!子供達が喜びそう。幼稚園に売れそうだ。テーマパークにしてもいいかもしれない。

次点

Title

pochi

Creator

Yuki Katsumura

Concept

Title

ぱんの家

Creator

Akane Shiraishi

Concept

Title

男性に贈る料理道具セット

Creator

tooth

Concept

Title

HANPU MILK

Creator

tabascopaseri

Concept

プロジェクトへの総評

南條史生さん(森美術館館長)

日本は、ものづくり大国って言われていますけど、本当にこれからだと思うんですよね。地方がいろんなものをつくっていく。独自性のあるものをつくっていく。そうすると、東京にはないものができてくる。それが全国に広がっていったときに、極めてユニークな国になっていくと思うんですね。すると次第に、例えば海外からくる観光客にしても、東京に来るんじゃなくて、岡山に行ってよう、○○に行ってみよう。となってくるでしょうね。日本がかつて、江戸時代に爛熟した文化を形成したように、独自の世界を形作っていくことになると思うんですね。これからはそういう日本にしていくといいと思っています。


伊藤直樹さん(PARTY CEO/京都造形芸術大学教授)

毎日こういうアイデアを考えているので、客観的に見れないんですよね。つい自分だったらどう考えるのか、を考えてしまいます。「この手があったか!」と嫉妬するものも結構あって、そういうアイデアが素敵だなと思いました。いくつかの作品には、「やられたな」と思うものもありました。帆布の未来は、このコンテストをきっかけに変わっていければ、もっと面白くなると思いますね。これからも応援していきたいと思います。


川田十夢さん(AR三兄弟長男)

今回入選した作品とそうでない作品があると思うんですけれど、どれも着眼点が面白くて、その違いは、「布地であるべきかどうか」ということをすごく考えられているかどうかだったと思います。こういう手触りのあるデザインって、クリエイターの人は意外と考えないことがあるかと思うんですけど、これを機会に宿題のように考えてみると面白いと思います。僕もしっかり考えないとなと思いました。


晴れて受賞となった5作品は、プロトタイプの制作を経て、来年度にイオンモール岡山にてプロジェクト展示会を行う予定です。

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