NEWVIEW AWRDS 2022 結果発表
3次元空間での新たなクリエイティブ表現と体験のデザインを開拓するプロジェクト/コミュニティNEWVIEWは、ファッション/カルチャー/アート分野のXRコンテンツ・アワードの第5弾「NEWVIEW AWARDS 2022」を開催しました。
テーマは、「Create a Melting Reality」。溶け合うリアリティを創造せよ。制作のプラットフォームは、あらゆる表現フィールドのアーティストに空間表現の場を提供するVR/AR/MRクリエイティブプラットフォーム「STYLY」(https://styly.cc)です。
5年目、第5弾となる今回は「Create a Melting Reality」溶け合うリアリティを創造せよ。というテーマのもと作品を募集。2022年8月8日から10月31日までの募集期間中に、14ヶ国155作品(AR:54作品、VR:92作品、XR(ARとVRを併用):9作品)の応募がありました。
また、2022.12.23(金)-25(日)まで渋谷PARCOにてNEWVIEW FEST 2022が開催され、NEWVIEW AWARDS2022で選出されたファイナリストの作品を体験できるエキシビジョンも開催されました。
本ページでは、受賞作品の発表を行なっております。
惜しくも受賞を逃したファイナリスト作品は、NEWVIEW AWARDS 2022 WEBサイトよりご覧いただけます。
GRAND Prize
タイトル
my room / my sound
Creator
Comment
ある時期の私の記憶を空間と音を使って体験可能なものにすることを試みました。空間は私が数カ月前まで実際に住んでいた都内のアパートです。その空間をバーチャル上で再現し、任意に分割しました。各空間からは私の記憶にまつわる音が聞こえます。聞こえてくる音の中には私が発した音もあれば、外部から聞こえた音、聞こえたように感じた音もあります。各空間とそこにまつわる断片的な音から私の『記憶』を体験してほしいと思います。
また、私たちはそのような断片的な音を再構築し1つの楽曲を作りました。本来であれば、関連のない音によって作られたこの楽曲は本作品内の空間を体験することによって、はじめて1つのまとまりのある音として立ち上がります。そのような音と空間の相互作用を生み出すことを意図しました。
『客観的で正確な記録』が力を持つ現代において『個人的で曖昧な記憶』にはどのような可能性があるでしょうか?本作はその問いを探求するための拠り所となるものです。
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Judge’s comment: Shinichi Osawa(MONDO GROSSO)(音楽家 / 作曲家 / DJ / プロデューサー)
知覚体験へのアプローチで、ソースが 「記憶」であり、奇しくもこれはMONDO GROSSO最新作「BIG WORLD」アルバム共通のテーマでもある「変わってしまった世界、さらに変わっていく世界の中で、心の在処を探し続ける音楽の旅」と通ずるものを感じました。特にVRアーティスト「0b4k3」が映像監督を担当した“FORGOTTEN[Vocal:ermhoi (Black Boboi / millennium parade)]は顕著で、人間の身体性よりも心の作用を意識した作品であり、この2作品との不思議な親和性を感じました。
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Judge’s comment: Lu Yang(アーティスト)
この作品は非常に私的で静謐さに溢れたものです。VR内を閲覧すると、静寂のうちに作者の精神空間にアクセスできます。
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Judge’s comment: yurinasia (ユリナジア)(ダンサー / ダンスインストラクター / コレオグラファー)
感覚で引き込まれるものがありました。
音と映像のリンクはダンサーにとっても重要なものなので、この作品とどうやってコラボできるか考えました。最終的にSEMI MEMORYを選定したのですが、my room / my sound のスタイリッシュでクールな感じも好きでした。 -
Judge’s comment: 清水幹太 / ルカ
VR/XRでものをつくるということは、どうしても立体オブジェクトのデータを取り扱うということと不可分です。ゆえに、作品づくりのためのツールも限定されてきます。この領域でのものづくりは、ツールの限界との戦いでもあります。
ビジュアル面ではツールの限界を超えていませんが、音とビジュアルで相互補完した総合体験として、見事な空間作品を構築できています。 -
Judge’s comment: 北川一成(GRAPH代表取締役 / デザイナー / アーティスト)
日常の当たり前の風景をシュールでミニマルな印象でとても魅力的な映像空間に仕上げられている。好きな表現だ。
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Judge’s comment: 小林大介(プロデューサー / 株式会社パルコ エンタテインメント事業部 部長)
3Dのバーチャル映像って不動産とか建築業界もいち早く取り入れられていて、そういう意味では非常に親和性のあるテーマ設定だったと思うが、そこに加えて”思い出の部屋”というものの時間的階層を奥へスクロールするアクションから、macのタイムカプセルのような時間を遡る感覚を視覚的にも感じることができる体験だった。もしかしたら、奥スクロールの記憶の視覚化は近い将来の思い出のアルバム化の一つの手法になっていくのではないか、という未来スタンダード表現の可能性に繋がる(かもと思わせる)作品です。
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Judge’s comment: Nick den Boer(ディレクター / アニメーター / デジタルアーティスト)
非常によくできていました、おめでとうございます。
GRAND Prize
タイトル
SEMI MEMORY
Creator
Comment
Semi Memoryは、全ての記憶は半分真実であるというアイデアに基づいている。
ここでの体験は静岡、神奈川、東京で収集した現実のスナップ写真の混ざり合いから成り、大正・昭和時代の空間や建築を記録しようと試む。これらの空間は徐々に消えつつあり、まだ取り壊されていないものもしばしば空き家と化し、忘れ去られ、郷愁の空間を作り出している。
私たちは自分の記憶が正しいと思っているが、正確であることは滅多にない。常に自身の知覚で色味がつき、他の記憶に上塗りされ、全体として、その一部だけ保存されているにすぎない。
Semi Memoryは、データは不完全で、テクスチャーはまばらで、その上に日常的なものが体験に入り込んでいるということを反映している。
また、semiはジージーと鳴く日本のセミを意味している。彼らは私たちの記憶に勝手に入り込む存在を見事に表している。毎年夏になると日本の音環境はセミに支配され、そうしてみんなの夏の記憶となる。
Semi Memoriesには始まりも終わりもない。テーマパークのようなオープンワールドである。歩き回り、出来事を見つけアイテムと対話してみよう。
テクスチャはAR体験の方が高解像度ですが、VRの方がより没入感があり、アイテムとの対話がもっと楽しいです。ぜひどちらも試してみてください。
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Judge’s comment: Shinichi Osawa(MONDO GROSSO)(音楽家 / 作曲家 / DJ / プロデューサー)
知覚体験へのアプローチで、ソースが 「記憶」であり、奇しくもこれはMONDO GROSSO最新作「BIG WORLD」アルバム共通のテーマでもある「変わってしまった世界、さらに変わっていく世界の中で、心の在処を探し続ける音楽の旅」と通ずるものを感じました。特にVRアーティスト「0b4k3」が映像監督を担当した“FORGOTTEN[Vocal:ermhoi (Black Boboi / millennium parade)]は顕著で、人間の身体性よりも心の作用を意識した作品であり、作品との不思議な親和性を感じました。
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Judge’s comment: yurinasia (ユリナジア)(ダンサー / ダンスインストラクター / コレオグラファー)
コラボレーションするにあたって、イメージが膨らんだ作品でした。
私もロゴを作成するのですが、SEMI MEMORYのロゴもすごく好きでした。
SEMI MEMORYの街並み感とストリートダンサーとのコラボレーションはナチュラルに、
そしてカッコ良い作品になるだろうなと思い選定させていただきました。 -
Judge’s comment: 清水幹太 / ルカ
VR/XRでものをつくるということは、どうしても立体オブジェクトのデータを取り扱うということと不可分です。ゆえに、作品づくりのためのツールも限定されてきます。この領域でのものづくりは、ツールの限界との戦いでもあります。
『SEMI MEMORY』は、体験をつくるためのツールの「クセ」をそのまま活用し、乗りこなしている作品です。ツールが生むノイズをそのまま作品の強さに昇華させ、つくり手の思いが「剥き身」で迫ってきます。 -
Judge’s comment: 北川一成(GRAPH代表取締役 / デザイナー / アーティスト)
このどこか懐かしい世界は現実と非現実の間を揺らいでいる様だ。この作品を体験する者は過去と未来の記憶を揺さぶられるだろう。
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Judge’s comment: Nick den Boer(ディレクター / アニメーター / デジタルアーティスト)
「creating a melting reality」というテーマを最もよく表現していると感じました。フォトグラメトリーのジオメトリのグリッチが夢のような雰囲気を醸し出していて、現実の写真から作られたものなのに、VRの中にいるととてもシュールな感覚になります。追加されたアニメーションやサウンドも非常によくできていて、夢のような環境をさらに盛り上げてくれました。
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Judge’s comment: 小林大介(プロデューサー / 株式会社パルコ エンタテインメント事業部 部長)
この作品の、継ぎはぎやフォトグラメトリの瓦解した見え掛かり、そして生命感が薄い感じから、ディストピアのような感覚をもたらされる一方、コンパクトに様々な趣旨の異なる空間をまとめた、ある種テーマパークのようなユートピアの感覚も同時に感じる、変な愉快さがあった。
人の記憶の中でぼんやりと存在する街の像というのは、こういった印象に残った情景のつなぎ合わせに近かったりするのかもしれないと感じました。 -
Judge’s comment: Lu Yang(アーティスト)
この作品にはインタラクティブな部分がたくさんありますが、現実世界をスキャンした部分もあります。現実と虚構が融合していて、今回のグランドプライズのテーマと非常にマッチしています。
ULTRA STAGE Prize
タイトル
AIAR Gallery 02
Creator
Comment
AIAR Gallery 02は、AIが生成したオーディオとビジュアルを展示する実験的なアートギャラリーです。鑑賞者は空間に誘われ、人工的な作品を人工的なフィジタル環境で物理的に探索し楽しむことができます。
この作品群は、人間と機械の関係を探求し、両者が一体となって、互いに独立して存在し得ない作品を想像し、生成する制作過程を反映しています。
何が現実なのか、人工的なもの対リアルなものを構成するのは何なのかを考えながら、AIは人類の集合意識で創りだすもの以上にリアルなものはないと私たちに迫る。
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Judge’s comment: Kizuna AI Inc.(バーチャルタレントの運営チーム / クリエイティブチーム)
AIやARによる新たな体験や魅力、面白さを探求するというコンセプトに惹かれました。
優れた色使いやバーチャル空間の清々しさも素晴らしかったです。
ULTRA STAGE Prize
タイトル
Glyph’s Abyss
Creator
Comment
死にゆく生命に我々は何を見るのか?私たちのニューロンはつながりを失い、私たちの記憶はバラバラになり、細胞はゆっくりと動きを止める。我々は別の現実を写す無限の奈落に落ちるのか? つながりを失い、命も生み出せなず、自己修復もできなくなった生命体はどんなものだろうか?
あなたは、細胞に歩いて近づき、彼らを動かせる最後の操作光だ。
もはや命懸けで戦うこともできない古い細胞が奈落の底にゆっくり落ちていくのを体験しよう。あなたが細胞に目を向けることで彼らにまた活力を与えられるのか、それともその生物は命尽きて呼吸を止めるのか?
死にゆく存在の最後の輝きを、歩きまわりながら探ってみよう。
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Judge’s comment: Kizuna AI Inc.(バーチャルタレントの運営チーム / クリエイティブチーム)
優れたビジュアル表現と、死にゆく細胞の最後の輝きというテーマを、バーチャルという場所で表現されていることに魅力を感じました。
ULTRA SO SESSION Prize
タイトル
Draw & drag future instruments
Creator
Comment
空間に描いたシンボルを認識して対応した「キンミライガッキ」を召還できるAR音楽アプリです。
画面中央のアイコンを押している間、スマホを動かすと軌跡を描くことが出来ます。
軌跡の角度や長さからシンボルを認識、対応するガッキを生成します。
現在認識できるシンボルは以下の3種類です。
〇 「円」= Observer (ドラム)
/ 「直線」 =HUSHI (弦楽器)
⚡ 「ジグザグ(雷型)」 =Blitz Valve(スパーク音)
召喚されたガッキはタッチや、スマホを直接当てることで鳴らすことが出来ます。
描くシンボルの大きさで、召喚されるガッキの大きさと音の高さが変わります。
生成したガッキは画面上でタッチして動かすこともできます。
ARという、個人個人それぞれの端末から覗ける世界は、各々の環世界であり、物質化以前のイデア空間に近いと考えています。
我々は日頃、まず3DCADによるモデリング・設計(=非物質的な創造)行った後、それを現実世界で再構築する手法で様々な楽器・装置を製作しています。現実世界に完成する以前に既にイデアが存在しているかのような感覚を覚えています。
その根幹に触れるため、オリジナルのCGモデルを直接演奏したいと考えました。
そしてXR表現であっても、体験者の能動的な身体の動きやパフォーマンスを創出したいという想いから製作しました。
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Judge’s comment: Shinichi Osawa(MONDO GROSSO)(音楽家 / 作曲家 / DJ / プロデューサー)
身体性を重点に置いたXR表現であり、未来の音楽体験・表現を意識し、今後の拡張性、期待感を込めて選ばせていただきました。
ULTRA TOUR Prize
タイトル
Species
Creator
Comment
この施設では多種多様の生物を飼育、研究している。
ミミズによる腐葉土の形成、自然淘汰による種の選抜、生物の変異など様々な場面を観察できる。
最上部には、隣接する集団と雑種を生じることのできる類縁関係にある一続きの個体群”輪状種”を表すモデルを設置。
人間が手を加えた土地に順応する事が出来ず絶滅する種、現代の環境によって生まれてきた新種、
様々な生命が移り変わるこの今生物について知ることで人類の生活様式を見直すきっかけになれば嬉しい。
鮮やかな色彩と生物が創り出す美しい空間を3D Floor Mapを片手に持ちながら体験してみてください。
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Judge’s comment: Lu Yang(アーティスト)
この作品は、完成度、創造性、空間性、将来的な拡張性、そして多人数でのインタラクションなどの面でとても優れています。空間とキャラクターのモデルはすべてオリジナルで、VRの空間性がよく考慮されているため、マップを片手に作者が構築した小空間を実感できます。空間には階層感があり、キャラクターの出来もとても面白く、全体的な見た目が統一されています。もし大勢の人々がこの空間内で、一つ一つ巧みに配置されて味わいのある、これらの様々な展示空間を見たなら、と想像してみることは、とても素晴らしい体験でした。この作品は、継続的な発展と展示の分野での応用が十分に可能だと思います。
ULTRA MEDIA Prize
タイトル
SEMI MEMORY
Creator
Comment
Semi Memoryは、全ての記憶は半分真実であるというアイデアに基づいている。
ここでの体験は静岡、神奈川、東京で収集した現実のスナップ写真の混ざり合いから成り、大正・昭和時代の空間や建築を記録しようと試む。これらの空間は徐々に消えつつあり、まだ取り壊されていないものもしばしば空き家と化し、忘れ去られ、郷愁の空間を作り出している。
私たちは自分の記憶が正しいと思っているが、正確であることは滅多にない。常に自身の知覚で色味がつき、他の記憶に上塗りされ、全体として、その一部だけ保存されているにすぎない。
Semi Memoryは、データは不完全で、テクスチャーはまばらで、その上に日常的なものが体験に入り込んでいるということを反映している。
また、semiはジージーと鳴く日本のセミを意味している。彼らは私たちの記憶に勝手に入り込む存在を見事に表している。毎年夏になると日本の音環境はセミに支配され、そうしてみんなの夏の記憶となる。
Semi Memoriesには始まりも終わりもない。テーマパークのようなオープンワールドである。歩き回り、出来事を見つけアイテムと対話してみよう。
テクスチャはAR体験の方が高解像度ですが、VRの方がより没入感があり、アイテムとの対話がもっと楽しいです。ぜひどちらも試してみてください。
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Judge’s comment: yurinasia (ユリナジア)(ダンサー / ダンスインストラクター / コレオグラファー)
コラボレーションするにあたって、イメージが膨らんだ作品でした。
私もロゴを作成するのですが、SEMI MEMORYのロゴもすごく好きでした。
SEMI MEMORYの街並み感とストリートダンサーとのコラボレーションはナチュラルに、
そしてカッコ良い作品になるだろうなと思い選定させていただきました。
ULTRA GRAPHIC Prize
タイトル
face
Creator
Comment
ストックフォトからダウンロードしたポートレートを印刷し、しわくちゃに変形させたものを撮影、撮影した画像を見ながらキャンバスに描いていく。異なる表現形式を横断/接続しながらイメージが変換されていく。画像、写真、立体造形、絵画...イメージがマテリアルをシームレスに移動していく。今回の作品ではキャンバスに描いたものを再度撮影し、人物が描かれた部分だけを素材として使用した。海のような場所に打ち捨てられたイメージ達は、新たな姿を形づくろうとしている。
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Judge’s comment: 北川一成(GRAPH代表取締役 / デザイナー / アーティスト)
人間の顔の画像をこの様にユニークでグラフィカルな表現の映像世界に仕上げた作者のセンスはとてもずばらしいと思った。
ULTRA INNOVATION Prize
タイトル
In My Brain
Creator
Comment
同じ世界でも感情によって見え方が変わる。
強く感情を感じたとき、脳内の感情キャンバスは書き換えられる。負の感情はノイズが走るし、幸せなときは星のようにキラキラ光る。それは視覚にも影響し、見える景色の色が変わる。
そんな脳内のキャンバスを視覚化した作品。
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Judge’s comment: 清水幹太 / ルカ
仮想空間を、「感情」を共有するための場所として使うというアプローチはとても新しいと感じました。確かに、「空間」は、そこに存在する各々の人の気分や感情によって、違って見えるものです。楽しいときと、悲しいときでは、景色が違って見える。
この作品の素晴らしさは、さらにそれを、空間内のユーザーインターフェースに落とし込んだところです。空間に配置された窓を覗き込むと、世界が変わって見える、という体験構造にも、それを演出するビジュアルにも、様々な可能性を感じることができました。
ULTRA CULTURE Prize
タイトル
SEMI MEMORY
Creator
Comment
Semi Memoryは、全ての記憶は半分真実であるというアイデアに基づいている。
ここでの体験は静岡、神奈川、東京で収集した現実のスナップ写真の混ざり合いから成り、大正・昭和時代の空間や建築を記録しようと試む。これらの空間は徐々に消えつつあり、まだ取り壊されていないものもしばしば空き家と化し、忘れ去られ、郷愁の空間を作り出している。
私たちは自分の記憶が正しいと思っているが、正確であることは滅多にない。常に自身の知覚で色味がつき、他の記憶に上塗りされ、全体として、その一部だけ保存されているにすぎない。
Semi Memoryは、データは不完全で、テクスチャーはまばらで、その上に日常的なものが体験に入り込んでいるということを反映している。
また、semiはジージーと鳴く日本のセミを意味している。彼らは私たちの記憶に勝手に入り込む存在を見事に表している。毎年夏になると日本の音環境はセミに支配され、そうしてみんなの夏の記憶となる。
Semi Memoriesには始まりも終わりもない。テーマパークのようなオープンワールドである。歩き回り、出来事を見つけアイテムと対話してみよう。
テクスチャはAR体験の方が高解像度ですが、VRの方がより没入感があり、アイテムとの対話がもっと楽しいです。ぜひどちらも試してみてください。
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Judge’s comment: 小林大介(プロデューサー / 株式会社パルコ エンタテインメント事業部 部長)
この作品の、継ぎはぎやフォトグラメトリの瓦解した見え掛かり、そして生命感が薄い感じから、ディストピアのような感覚をもたらされる一方、コンパクトに様々な趣旨の異なる空間をまとめた、ある種テーマパークのようなユートピアの感覚も同時に感じる、変な愉快さがあった。
人の記憶の中でぼんやりと存在する街の像というのは、こういった印象に残った情景のつなぎ合わせに近かったりするのかもしれないと感じました。
ULTRA IDEA Prize
タイトル
DrosTravel
Creator
Comment
This work is an experience of being caught in a vortex of droste (the recursive repetition of the same image within a frame), using a street TV as a motif. The droste in the two-dimensional plane is as limited as the resolution allows, but what will the endpoint of the endless droste in the three-dimensional space be?
In the modern age, everyone has a camera and takes pictures and videos without hesitation. We upload the processed images to social networking sites with ease, but can we really call the reality that we have been processing with our fingertips real? In this experience, those who approach the site with a smartphone in hand, looking for something unusual, are sucked into the vortex of droste created by themselves, and experience the "fear of being processed. Those who live in the processed reality may one day be abruptly turned off by others.
*This work is an AR experience to be experienced with a smartphone.
*Please start the device in landscape mode and make objects appear at any position.
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Judge’s comment: Nick den Boer(ディレクター / アニメーター / デジタルアーティスト)
For the Ultra Idea Prize, I chose 『Dros Travel』. I felt that it was an interesting approach to combine the AR 3d model television with the overlay effects. The ability to change the channels and also interact with the television leaves room to develop this idea further. I can see how the artist could take the idea further and create more filters and 3d models to interact with. 『Dros Travel』 also kept with the melting reality theme, and although it was a simply executed idea, I felt it was effective and interesting to play with