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汀線(B)

その他
汀線(B)

ミュージシャンと非ミュージシャンが雑居する宴のただ中で、ふいに立ち上がった演奏と雑談の断片を、AIによるデミックスで洗い出し、オーバーダブ素材と佐世保の環境音でつなぎ直した記録。
イントロの鐘とサックスの音色は、何かの始まりを告げる合図でありながら、同時に宴の終わりを予感させる暗さを帯び、しかもそれを忘れたかのような明るさまで背負って鳴り響く。外では夜が深まり、暗い波が岸辺をぬらす。室内は嘘のように明るく、「平和」はテーブルの上に置かれたグラスの輪じみほどの確かさで続く。
夜が明けたあと、この明るさは何を遺し、何を資産と呼べるのだろう。夜と明るさの汀、宴と終わりの兆しの汀。二つの境界が重なっては揺れる。歴史に残るものとこぼれ落ちるもの、その分かれ目に耳を澄ますための音源。

https://on.soundcloud.com/t8izjVm0vJkkArVKJB

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