汀線(A)

ミュージシャンと非ミュージシャンが雑居する宴のただ中で、ふいに立ち上がった演奏と雑談の断片を、AIによるデミックスで洗い出し、オーバーダブ素材と佐世保の環境音でつなぎ直した記録。
ガヤガヤとした声が砂粒だとするなら、たわむサックスのフレージングは打ち寄せる白波で、その合間でガチャつく空き缶や鈴、木魚の律動は、浜に散らばる魚の骨や流木だろう。
「平和」は、静止した銅像ではない。熱を孕むダイナミクスとして、そして二日酔いの静けさへ受け渡される継承線として、平和の行方を音響に託す。宴の熱狂はやがて頭痛と鼻歌を贈り物として残し、次の満潮の夜を呼び込むための小さな資金石になる。

https://on.soundcloud.com/TayJC95gBN2TBDnJ4k