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風の通り道にひらく塔

その他
yu
都市や公園の片隅にありながら、暗い、汚い、怖いといった負のイメージによって人々から敬遠され、ただ用を足すためだけに存在する「公衆便所」は、本来誰もが等しく利用できる都市の最小単位のパブリック空間であるべき場所でありながら、防犯上の懸念や属性による排他性、そして無機質なインフラとしての扱われ方により、現代都市における絶滅危惧空間となっている。本計画は、ただ用を足すだけの閉鎖的なインフラだった公衆便所を、風と光を取り込み、まちのシンボルとなる「多方向に開かれた『塔』のようなコミュニティの居場所」へと機能的・構造的に変異させる試みであり、性別や障害によって空間を明確に区分・分断してきたこれまでのトイレのあり方を疑い、住宅街、広場、海といった周囲の多様な風景に向けて開かれた放射状の動線を挿入することで、中央の吹き抜けからは自然の光と豊かな風が通り抜け、誰もが利用できるようにスロープや、まちの情報に触れられるスペース、一息つけるベンチを併設し、さらに夜には塔全体が内側からの光をまとい、暗い夜の公園や水辺を優しく照らす街の灯台へと変異します。単なる「処理のための点」を「誰もが立ち寄りたくなる多様な風景の交差点」へと変化し、最小限のインフラ更新でありながら、都市の片隅に圧倒的な象徴性と温かい笑顔があふれるパブリック空間を取り戻す、新しい変異計画の提案です。

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