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旅する美容室 ー地方ローカル線がつなぐ人と街ー

本提案では、地方ローカル線の車両を移動式美容室へと変異させる。
美容室は、人が定期的に訪れる数少ない生活インフラの一つである。髪を切るという行為は年齢や性別を問わず継続的に必要であり、医療や行政サービスのような特別な目的ではなく、「暮らしの習慣」として地域に根付いている。また美容室は施術中の会話や他の利用者との交流など、人との関係を自然に生み出す場でもある。
そこでローカル線の一部車両を美容室へ改修し、利用者は出発駅で乗車して施術を受ける。列車は地域の風景を眺めながら終着駅へ向かい、折り返し運転の間に仕上げを行い、元の駅へ戻って降車する。約1〜2時間の往復運行は、カットやシャンプー、ブローに必要な時間と重なり、列車の運行時間そのものが施術時間となる。この体験は、美容室を「移動させる」だけではない。利用者は同じ地域に暮らす人々と定期的に顔を合わせ、美容師とも継続的な関係を築く。

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