- 125
Memory of Flowers and the Trace of Light(花の記憶と光の軌跡)
作品に触れることは、作品を知ることではなく、自分自身に触れ直すことなのかもしれない。
私は、天平時代に仏像彫刻に用いられた技法「脱活乾漆」を用いて彫刻を制作しています。粘土の原型に漆と麻布を幾重にも重ね、乾燥後に内部の粘土を取り出します。残るのは、軽く空洞でありながら、確かな存在感をもつ「かたち」です。その軽さや質感は、見るだけではなく、実際に触れることで伝わります。本作では、この技法の特徴を生かし、触れることのできる彫刻を制作しました。
これまで花をモチーフに、その生命の気配を具体的な造形として表現してきました。しかし制作を続けるなかで、本物の花には、本物の花だけが宿す美しさがあり、私が彫刻で表現したいのは、その姿ではなく、花と向き合ったときに心に残る生命の気配なのだと考えるようになりました。
フィンランドでの滞在制作では、一か月間、毎日森を歩き、一輪の花を採集•観察し、ドローイングを行い、折り染めや版画へと展開しました。
本作は、花を再現した作品ではありません。花と向き合う時間のなかで生まれた生命の気配を、手のひらで受け止めるための「かたち」です。
手のひらは、重さや温度、質感を繊細に受け取る場所です。日本では器を手に取り、その重みやぬくもりを味わう文化が育まれてきました。本作では、その身体的な体験を彫刻へと表現しました。
展示では、七つの立体作品に加え、制作期間中に行ったドローイング、折り染め、版画を配置し、折り染めの映像を重ねて投影します。それぞれの表現は独立した作品ではなく、花との対話が造形へと変化していく一つのプロセスとして空間を構成しています。花と向き合い続けた時間そのものを共有し、鑑賞者それぞれが自分自身の感覚と静かに向き合う場をつくりたいと考えています。
フィンランドで生まれた展示を、本企画のテーマ「In Touch」のもとで再構成します。
私は、天平時代に仏像彫刻に用いられた技法「脱活乾漆」を用いて彫刻を制作しています。粘土の原型に漆と麻布を幾重にも重ね、乾燥後に内部の粘土を取り出します。残るのは、軽く空洞でありながら、確かな存在感をもつ「かたち」です。その軽さや質感は、見るだけではなく、実際に触れることで伝わります。本作では、この技法の特徴を生かし、触れることのできる彫刻を制作しました。
これまで花をモチーフに、その生命の気配を具体的な造形として表現してきました。しかし制作を続けるなかで、本物の花には、本物の花だけが宿す美しさがあり、私が彫刻で表現したいのは、その姿ではなく、花と向き合ったときに心に残る生命の気配なのだと考えるようになりました。
フィンランドでの滞在制作では、一か月間、毎日森を歩き、一輪の花を採集•観察し、ドローイングを行い、折り染めや版画へと展開しました。
本作は、花を再現した作品ではありません。花と向き合う時間のなかで生まれた生命の気配を、手のひらで受け止めるための「かたち」です。
手のひらは、重さや温度、質感を繊細に受け取る場所です。日本では器を手に取り、その重みやぬくもりを味わう文化が育まれてきました。本作では、その身体的な体験を彫刻へと表現しました。
展示では、七つの立体作品に加え、制作期間中に行ったドローイング、折り染め、版画を配置し、折り染めの映像を重ねて投影します。それぞれの表現は独立した作品ではなく、花との対話が造形へと変化していく一つのプロセスとして空間を構成しています。花と向き合い続けた時間そのものを共有し、鑑賞者それぞれが自分自身の感覚と静かに向き合う場をつくりたいと考えています。
フィンランドで生まれた展示を、本企画のテーマ「In Touch」のもとで再構成します。

