- 432
心理の法則 バランス理論
例えば、「恋人は大好き、でも恋人の親友は大嫌い。」という時。多くの人は、無意識にバランスを取ろうと、嫌いだったはずの彼女の親友を肯定しようと試みるでしょう。それでも好きになれない場合、彼女と別れるか、彼女の人間関係を尊重し、大した問題じゃないと黙認することによって、心理的な違和感や不安定のもとになる矛盾をなくそうとします。このように、人は自分を含めた2つ以上の対象の認識と評価を秤にかけ、そのバランスをとろうとするのです。これを「バランス理論」と呼びます。これは人と人だけでなく、人と物に対してもおこる効果なので、皆さんもこのような葛藤には多々出くわしているのではないでしょうか。先ほどの例で出たように、何事も柔軟に受け入れられればいいのですが、なかなか簡単なことでもありません。だからと言って目の前に生じた矛盾を受け入れず、それを根本から断ち切ろうと、「両者とも嫌いになる。」という選択肢をとる。そんな事を頻繁に行っている人は、やがて孤立するでしょう。