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心理の法則
ある文字をずっと見ていると、「こんな形していたっけ。」という風に、だんだん文字が絵のように見えてきてしまう、ゲシュタルト崩壊。あの不思議な感覚は、なぜおこるのでしょうか。これは、「ゲシュタルトの法則」という心理効果ありきの現象です。人間は、音の連続をメロディーと捉えるように、ひとつひとつの要素を組み合わせ、グループ化して理解しようとする傾向があります。図形に対しては、「近接」「類同」「連続」「閉合」「共通運命」「面積」「対称性」の7つの条件がゲシュタルトの法則を引き起こすものとしてあげられます。つまり単に同じ形、色、大きさ、動きであるだけでそれらを仲間と認識してしまうため、この法則は単純で些細なルールでも簡単に起こるということです。この世界は情報であふれかえっているので、そうでもしないと頭が処理しきれなくなってしまうのです。そこで、たくさんある要素に秩序を見いだすことで構造を与え、無意識のうちに情報を整理します。このグループ分けが何らかの原因で出来なくなり、突然線、点、面積、色などの要素が見えてきてしまうことで頭が混乱してしまうのがゲシュタルト崩壊というわけです。