clothing fabric dyeing
木材チップ
TSUYAKIN FARM
のこり染ミツロウエコラップ
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応募プロジェクト・アイデアのタイトル
パーマカルチャー&エシカルファッション教育プログラム
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応募プロジェクト・アイデアのタイトル(英語)
Permaculture&Ethicalfashion educational program
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応募プロジェクト・アイデア紹介動画URL(5分以内)
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応募プロジェクト・アイデアの説明
衣料布地染色加工を行う株式会社艶金は、グローバル化とファストファッション化により衣料の過剰生産と過剰購入が加速している流れを変えることが、ファッション業界を脱炭素社会、循環型経済に適合させるために不可欠な課題と認識している。課題解決のために、永続可能な農業をもとに人と自然が豊かになる文化・関係を築いていくパーマカルチャーデザイン手法と、衣料を、購入する対象のみでなく本来自ら作るべきであるとの発想を組み合わせた体験型プログラムを提案したい。染色会社としてわが国初の脱炭素認証SBTを取得した当社と、農業を通じた循環型経済を目指すOKB総研とが協業し、FabCafe名古屋を起点に、農業と染色の地方の生産現場ならではの体験型プログラムを実行することで人々の意識を変えることを目指す。衣服の過剰生産、過剰消費という現状から脱して、風土に合ったローカルな衣料を長く着てさらに循環利用・生産する社会を目指したい。
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応募プロジェクト・アイデアの説明(英語)
TSUYAKIN Co., Ltd, a clothing fabric dyeing and processing company, recognizes that changing the trend of accelerated overproduction and overconsumption of clothing due to globalization and fast fashion is an essential issue for the fashion industry to adapt to a decarbonized society and a circular economy.
In order to solve this problem, we would like to propose experiential programs that combines the Permaculture design method, which builds a culture and relationship that enriches people and nature based on sustainable agriculture, and the idea that clothes should not only be an object to be purchased, but should also be made by oneself.
Our company, which became the first dyeing company in Japan to obtain the SBT decarbonization certification, and OKB Research Institute, which aims to create a circular economy through agriculture, will collaborate to change people's consciousness by implementing hands-on programs from the local production sites of agriculture and dyeing, starting with FabCafe Nagoya.
We would like to aim for a society that promotes local and recycling production and use of clothing, in order to break away from the current problems that the fashion industry is facing. -
応募プロジェクト・アイデアの詳細説明
当社は、日本国内にて衣料布地染色整理加工(整理とは、風合いや機能性を生地に付与する工程)を行っている。
ファッション産業が石油産業に次ぐ世界で二番目に環境を汚染する産業だと報道される機会が増加している。二酸化炭素などの温暖化ガスの排出が地球温暖化を招いており、世界が共同で取り組む最優先課題となっている。衣服が生産販売されるサプライチェーンの中でも当社が手掛ける布地染色整理加工は、多くの水・エネルギーを消費する。
当社は早くからこの課題に取り組み、1987年には染色などに必要な熱源となるボイラーを重油から木材チップ燃焼タイプ(バイオマスボイラー)に転換を行い、カーボンニュートラルを達成している。(サブ画像1)さらに2019年には脱炭素経営宣言を行い、二酸化炭素排出量の把握削減を経営の中心に据えた。
2020年1月には、中小企業等が使用電力を再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示す枠組みである再エネ100宣言RE Actionのメンバーとなった。2021年8月には、当社が設定した企業からの二酸化炭素排出削減目標が、SBTイニシアチブより科学的根拠があると認められ、日本染色会社として初めて、脱炭素国際認証SBTの取得を行うなど、業界内で先駆けて環境配慮型染色会社への取り組みを行っている。
工場内においては、省エネルギー型染色機の設備導入を積極的に行い、水・エネルギー・電力の削減を目指している。持続可能という価値観を全従業員で共有するために、社員食堂での食べ残しゴミをダンボールコンポストで堆肥化し、工場内にTSUYAKIN FARM(農園)設置し、野菜栽培を行い、収穫物を社員に配ったり、昼食に使用している。(サブ画像2)また持続可能な社会をともにとの考えでSDGsに関わる紹介を地元高校生や自治体向けセミナー、地域のショッピングセンターイベント等で発信をしている。
当社事業として、染色整理加工の他に、布地製品販売事業を行っている。(サブ画像3)
一つ目は、のこり染雑貨ブランドKURAKINである。
のこり染とは、食費や植物を加工したあとに出る、のこり(残渣や枝葉)を原料にした染色方法。自然界から抽出した色のため、環境に優しく、染まった色は見ているだけで気持ちが落ち着くようなやわらかい色合いをしている。カラーは、くり、あずき、よもぎ、さくら、おから、ほうれんそう、かき、ウーロン、ワイン、えごま、ひだわ、ブルーベリーがある。KURAKINは、すべてのこり染生地を使用した、雑貨・タオル・エコラップなどを販売している。
二つ目は、アップサイクルブランドretricot である。
retricotは、当工場内にある洋服にならない色生地や在庫として眠る生地を再利用し、衣料品へよみがえらせるアップサイクルブランドである。コンセプトは、「おうちリゾート」。リラックスできつつ、オシャレも楽しめるアイテムである。
両ブランド販売事業に共通するコンセプトは、「もったいない」である。捨ててしまう残渣であっても、色素として再利用できる、品質として問題ないのに洋服に使われない生地はほとんどが廃棄されてしまう。環境負荷が大きいファッション産業で仕事をして、さらにエネルギー使用量が大きい染色加工会社として、これらの
商品を通じて、「もったいない」のメッセージを発信したいのである。
一方で、国内アパレル業界や消費者側の現状として、脱炭素を阻害する大きな問題点を環境省は指摘している。
https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/
当社が注目している内容をまとめると以下の通りである。
アパレル会社の日本国内向け供給数 1990年 20億着、2019年 35億着
日本国内消費者購入数 1990年、2019年人口が1.2億人として
1990年 21.6億着、2019年 21.6億人(18着×1.2億人)
環境負荷産業にも関わらず、供給側は超過剰生産、消費側も着用しない服が多く存在するくらい、過剰購入
していることがわかる。当社は衣料布地染色受託企業であり、日本全体のファッション産業のあるべき姿と消費者が心掛けるべき購入のあるべき姿について、発信を強めても大きな影響力は持ち合わせていない。
しかし、地球規模の温暖化阻止、環境保全に全世界が取り組みをスタートしているなかで、当社としても、自社の染色加工における二酸化炭素排出削減に野心的かつ具体的な目標(SBT)を設定し、さらにファッション産業のビジネスモデル、サプライチェーンを大きく変革させるために発信を強める必要性を認識している。
発信を行うキーワードとして、パーマカルチャーデザインに注目する。
パーマカルチャーとは、パーマネント(永続性)と農業(アグリカルチャー)、そして文化(カルチャー)を組み合わせた言葉で、永続可能な農業をもとに永続可能な文化、即ち、人と自然が共に豊かになるような関係を築いていくためのデザイン手法である。
自然の恵みである食べ物やエネルギー、水などがどこからきてどこへ行くのか、そして自分の毎日の生活がそれらにどのように関わっているのかを知り、汚染や破壊を引き起こすのではなく、より豊かな生命を育むことが出来るようにそれらと関わっていくこと。そして争うのではなく喜びを分かち合うことを前提とした人間社会を築いていくこと。この価値観は衣服の生産・消費においても重要である。
パーマカルチャーの原則でもある、Earth care(地球への思いやり)、People care(人々への思いやり)、そしてFair share(公平な分かち合い)を基に、真に豊かな社会へ向けて循環の輪を広げていくことを目指す。自分たちの暮らしに必要なものをただ買うのではなく、それらを少しずつ、自然と結びつきながら適量を自ら作る提案を消費者側にも広める。それは、自分の暮らしを己で創造し始めていくということでもあり、そのプロセスは独創的かつ十人十色である。日本の里山などで昔から受け繋がれてきた伝統も大事にしつつ、人の可能性をのばす技術であれば新しい文化も取り入れていれ実験をしていく。それは新しい持続可能な文化の創造へとつながり、我々は消費者から創造者へと変わっていくことができる。
資本主義が導いてきた、搾取する側とされる側といった構造がすでに限界を迎えたことは明らかである。破壊や汚染が進んでしまった自然状態を再生させながら、あくまでその地球の一部である人間にとって、どんな生き方ならみな幸せになれるのか、その一つの視点としてパーマカルチャーは非常に役に立つ。
国内ファッション産業と消費側の認識は明らかに、持続不可能な文化を作り出しており、循環型に再構築していく方法として、パーマカルチャーデザインとファッションを結びつける教育機関を、OKB農林研究所を所有する大垣共立銀行シンクタンクの株式会社OKB総研と共同で立ち上げる。
パーマカルチャーデザインに注目する理由として、ファッション産業が環境温暖化原因の大きな要因の一つであるとの認識が一般的にうすく、しかも中小企業の当社発信では大きな流れにならないが、食に通じる、人の活動と自然が大きく関わっているというパーマカルチャーを組み合わせことにより、より具体的なイメージがわきやすく、持続可能な社会に対する理解が教育を通じて深まると判断する。そもそも自然の生態系があるからこそ、ファッション産業が成り立っていることを理解してもらう。
具体的な教育メニューとしては、食も衣服も根本は、購入すれば手に入るものではなく、人と自然の共生の
なかで、本来自給自足が望ましいとの価値観の実体験を想定する。パーマカルチャーデザインの理論講座、実務を伴う応用講座、そして、衣服にかんしては、自ら染める体験を通じて理解を深めていく。当社オリジナル染色である、「のこり染」は、食品残渣や不要格外となる植物野菜などを使用して染色する処方であり、自ら受講者に体験してもらうことを想定している。次ステップとしては、綿の栽培からスタートし、紡績・布地生産・染色・縫製までの一貫生産も教育プログラムに取り込むことを想定している。
パーマカルチャーデザインの応用講座内容として、OKB総研の協力のもと、カリキュラムを作成予定である。
教育対象者は、一般市民(消費者)、学生、繊維業界など、すべてが含まれ、岐阜県同士がパートナーとなり、パーマカルチャーデザインにファッションを組み合わせた教育や地域活性化、観光資源への活用は、参加した人たちの洋服に対する価値観を少なからず、エシカルファッションに変化させ、衣料布地染色を手掛ける当社の主事業にとっても早期に好影響が得られると判断している。この教育プログラムを大垣で作り上げ、大垣モデルとして、日本各地、世界へ発信していきたい。 -
応募プロジェクト・アイデアの詳細説明(英語)
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応募プロジェクト・アイデアのWebサイトがありましたら、URLをご記入ください。