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作品タイトル(日本語)
SolefulTap
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作品タイトル(英語)
SolefulTap
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制作物のコンセプトを記載してください。
踊るという行為は、人種や性別、文化を超えて通じるような、人間の根源的な自己表現方法の一つである。私たちはタップダンスに着目し、乗った人が思わずステップを踏んでしまう“SolefulTap”というタップボードを制作した。ボード下部に配置されたセンサによりステップを検出し、それに伴い複数のソレノイドによる数パターンの打音および足裏への衝撃を提示する。これによりステップ動作を拡張し、まるでタップダンスを踊っているかのような体験を提供する。
タップダンスを介して、人間と床の相互的な関係性を探求する目的で本作品を制作した。地上で生活する人間は、ほぼ全ての時間を地面と接して過ごし、人工環境では床がその接触面である。それにもかかわらず、私たちは普段、床の存在を意識することはほとんどない。本作品に乗ってステップを踏むと、タップボードが打撃していることを認識しながらも、まるで自分の行為の一部であるかのような不思議な感覚を覚える。このとき、人間が床に触れると同時に、床も人間に触れているという関係性に気づく。
本作品は、床面を介して足裏に伝わる触覚によって、人と人との間につながりを持たせることもできる。タップダンスは特に、人間と床の関係性が色濃く表れるパフォーマンスである。ダンサーは床を表現装置の一部として使用し、その動きと音により鑑賞者を楽しませる。本作品では、拡張されたステップを耳および足裏で感じることにより、体験者と鑑賞者の両者が視聴覚に加え、触覚的にも楽しさを共有できるようにした。
ソレノイドによりステップがアシストされるだけで、行動変容が起こるデザインとなっている。人間と床のインタラクションにより生み出された表現は、体験者の思わぬ運動および鑑賞者とのコミュニケーションへと導く。本作品を通して、体験者がありのままに表現する喜びを享受し、新たな自己表現の世界へと一歩踏み出す後押しをしたい。 -
制作物のコンセプトを記載してください。(英語)
Dancing is one of the fundamental ways of human self-expression that transcends race, gender, and culture. Focusing on tap dancing, we created a tap board called "SolefulTap" that invites you to heel the dance. The tap board has sensors and solenoids underneath. When the sensors detect the user’s steps, the solenoids produce several impact patterns to the floor under the soles of the feet. In this way, the user’s steps are augmented and the floor provides an experience as if the user is tap dancing.
We created this work to explore the mutual relationship between humans and floors through tap dancing. As humans living on Earth, we spend most of our time in contact with the ground. Floors are the contact surface in artificial environments. Nevertheless, we are rarely aware of their existence. When you step on SolefulTap, you experience a particular sensation: it feels as if the impacts are part of your steps while simultaneously recognizing that they are coming from the tap board. From this experience, one comes to realize that it is not only you who are touching the floor. In fact, the floor is also touching you.
SolefulTap can also connect several people using the haptic sensation of their soles. Tap dancing, in particular, is a performance in which the relationship between humans and floors is strongly reflected. The dancers use the floor as an expression tool to attract the attention of their audience with sounds and movement of their performance on the floor. With SolefulTap, by feeling the augmented steps with their ears and soles, both the user and the audience can share the enjoyment not only audiovisually but also haptically. It can transmit the user’s step to the audience’s soles through the floor.
The interaction design brings about behavioral changes by simply enhancing the steps with solenoids. The expression created by the interaction between the user and the floor leads to unexpected joyful and dynamic performance and communication with the audience. Through this work, we hope to encourage users to take pleasure in expressing themselves as they are, and to take a step forward into a new world of self-expression. -
作品の素材・仕様
作品は最も大きい状態で(W)1 m×(D)1 m×(H)10 cmとなる。分解することで(W)0.5 m×(D)0.5 m×(H)10 cmのものを4つ作ることもできる。
人が乗る台にはオフィスフロアにも用いられるような、再生ポリプロピレン樹脂製の置敷床を使用している。その上に表面材として、アクリルマット板を貼り合わせている。中央部の表面材は用途に合わせて置き換え可能である。
床下に、センサやソレノイド、およびそれらを稼働させるための電源などが収納されている。これらの収納物をタップボードに連結させるため、ABS樹脂製の3Dプリント部品を使用している。
重量は作品全体で約17 kgである。 -
作品の素材・仕様(英語)
The maximum tap board size is (W)1m x (D)1m x (H)10cm. It can be disassembled into four pieces of (W)0.5 m x (D)0.5 m x (H)10 cm.
The platform, where the user stands on, is made of recycled polypropylene resin, which is also used for office floors. On top of that, matte acrylic boards are attached as a surface material. The surface material in the center of the tap board can be replaced depending on the situation.
Components such as sensors and solenoids, as well as the power supply to operate them, are stored under the floor. To connect these items to the tap board, 3D printed parts made of ABS plastic are used.
The total weight of this work is about 17 kg. -
作品のリファレンスURL
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作品の映像URL
https://youtu.be/sPkciWDjJ-M
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公式サイト、もしくはSNSのURL
https://www.narin-o.com
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特別賞のテーマにどう作品が関連しているか説明文を記載
本作品では、「思わず」体を動かしてしまいたくなる体験デザインに注力し、人間と床との関係性を再認識することを試みた。思考するだけで止まりがちな現代の体験者を、気づけば体を動かしてしまう行動変容へと自然に導く。
このタップボードに乗ると、タップシューズを履いているかのような感覚に陥る。足を下ろすと軽快な靴音が聞こえてくるからだ。思わず足踏みをしたくなる。見ている人も自然と笑顔になる。運動をしなきゃ、などと義務感を抱いてぐるぐる思考していたことは忘れる。気づけば体を動かして、思わぬ運動とコミュニケーションが生まれる。ここでの他者および環境とのインタラクションにより創発される現象は、心と身体をより豊かにすることに貢献する。
ソレノイドによるアシストがあるだけで、このような行動変容が起こるデザイン。その行動により誘発される身体との対話の中で、さらにバラエティに富んだ踊りやステップを試したくなる。本作品ではこのような、行動により新たな行動を生み出すループを作ったと言える。
本作品での体験を通し、私たちの生活と密接な関係があるにもかかわらず、普段ほとんど意識されない床という存在と向き合う機会を提供する。床と人間が相互に触れ合っていることを再認識し、そこから新たな楽しみを見出すことができる。
計算機の小さなディスプレイを飛び出したインタラクションデザインによって、大きな人々のくらしの改善を目論んでいる。
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