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2083年〜AGERの勃興〜

時は2083年。世界は電脳省に管理されていた。脳派は高層に住まい、生活を謳歌しているが、皆慢性的な病に冒されていて、不安障害を抱えている。電脳省の管理が行き届いていない地上街にはゲリラが蔓延り、高層と地上街では分断が進んでいた。
一方、都市部から離れて、環境汚染により荒廃した土地にあえて住まう者たちがいた。身体派のAGERである。そこでは世界に身体性を取り戻すべくAGERが始動していた。
AGERは敢えて衣服を着たフューチャロイドや、脳にデバイスをつけていない生身の人間で構成されている。
AGERの人間たちは厳しい生活環境に適応するべく、衣服としてのインフラを纏っている。
具体的には水素吸マスクや光合成帽子、エネルギーシューズに、血流発電や自細胞肉培養器などだ。
彼らは、衣服であるミニマムなインフラで衣食住を自産自消しつつ、日頃から土遊びを行い、草木や野菜を育て、緑の革命を起こそうとしている。
主人公は電脳省で働いていたが、更なる生産性向上のため機械に仕事を奪われ、お役御免になる。そこでAGERの導きがあり、地上街や荒廃した地域を旅して、衣服を着た旧式の2体のフューチャロイドに出会う。そこで脳派ではないことを証明し、AGERのコミュニティへ入っていく。
主人公はAGERにて初めて土を触り、違和感を覚えながらも、感動する。フューチャロイド達からは、世界を生身で感じ取ることができる「人間」であることを、羨ましがられる。主人公はかつて脳派のメッカで働いていたことをすっかり忘れ、笑顔になり、新たに身体派として生きていく。

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