郊外のファミレスで出会った私たちは、ファミレスへゆくためだけにアメリカへゆく。1泊3日「2001年 郊外の旅」。ともに2001年に東京近郊で生まれた私たちは「あらかじめ失われた子供達」だった。既に何もかもを持ち、それゆえに何も失うことができなかった。国道沿いに立ち並ぶチェーン店のように、お互いはお互いにとって、どこか代替可能な存在で、そんな私たちが集まるのはいつもファミレスだった。
2024年9月17日午後6時、私たちは日本とアメリカの「デニーズ」にいた。成田にあるデニーズでフライドポテトとサンドイッチを食べ、ボーイング787-8に乗ってサンフランシスコに向かう。到着後すぐに、空港近くのデニーズへゆき、日本と同じ、フライドポテトとサンドイッチのメニューを頼んだ。サンフランシスコのほうが量が多くて塩辛い。それ以外はほとんど同じ。
生まれたら21世紀だった。伝統も血縁も土着も、なんだかいつも遠かった。それでも、帰れなかった日に時間を潰したハンバーガーショップ、あの人との最後の食事になった格安のイタリアンチェーン、店内放送がなぜか忘れられない冬の牛丼屋、etc。世界の均質化や巨大企業へのアンチテーゼのまえで、「チェーン店にしか行けない」ことを真剣に考えている。どこでも同じメニューと、価格帯と、座席を兼ね備えたあの装置にうんざりすることもあるけれど、それらが救ってきた人間たちのことを考えている。
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SUN, JAN 18, 2026 Updated