CREATIVES

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不在が存在する

Others
空気が示すように、私は常に「メディア(媒体)」をまとっており、それは私に呼吸をさせ、私を存在させるために必要不可欠なものでありながら、同時に私の存在は「メディア」を通じてしか認知されることはできない。私に与えられる「メディア」は限られていて、この世界への知覚はいつも限定的である。「メディア」は既に誰か、何かと繋がっている。

今日私の吸っている息は、昨日あなたが吐いた息の一部かもしれない。


一脚の椅子を置き、その頭上を中心として、ギャラリー全体の天井や壁面に、大量の透明の風船を吊る。この風船にプロジェクタで映像を投影する。

風船は、設営時は透明だが、ゴムの変質により日数をかけて徐々に白濁し、そこに映る映像の見え方も変わっていく。この会期中に起こる緩やかな変化と、風船のゆらぎといった一瞬一瞬の動き、この場に起こる作品と観客との体感的な出会いをプランニングしたい。
また、椅子に作家が座るパフォーマンスを行う。

椅子の上に居るのは「私」であり、あなたであり、ただの空気である。

『不在が存在する』2018 @東京都美術館ギャラリーC

『不在が存在する』2018 @東京都美術館ギャラリーC

『不在が存在する』2018 @東京都美術館ギャラリーC

『不在が存在する』パフォーマンス風景 2018 @SOIL gallery (Seattle)

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