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仮想通貨奉納祭

物々交換、米、銅貨……と価値が移り変わるなか、キャッシュレス時代の新しい「祭り」「儀式」をアップデートする社会実験を行うプロジェクト。土着的な民間信仰は非合理的に見えても、共同体の維持や慰霊、厄災の抑止などの機能を持つ。後継者不足で廃れつつある奇祭を形骸化した伝承ではなく”生きた文化”として次の100年も継続させるには?という問いのもと「東京の新たな奇祭」を作ることに挑戦した。
世界中から時空間に縛られず遠隔で仮想通貨の投げ銭を集めて地域や神社に奉納し、都市の豊穣を祈ることのできる装置「サーバー神輿」を開発。時空間を超え一瞬で移動する仮想通貨の性質を利用し「現代版ポトラッチ(=富の再分配の儀)」を試みた。仮想通貨が一定額着金すると「ワッショイ・セレブレーション機能」が発動。神輿に搭載した大量のLEDファンが高速回転しながら発光し、人々から届いた祈りの言葉をAIが音声合成し、爆音で鼓舞する。
祭りのビジョンに共感した様々な分野の専門家、クリエイター、企業や自治体などが技術や作品を自発的に奉納し、「天狗ロボット」「奇酒の奉納」「AI般若心経」をはじめ、多くの共創が生まれた。東京の商店街で実現した「仮想通貨奉納祭」には、2日間で約17000名の参加者が集まり、老若男女が神輿行列や屋台を楽しんだ。
未来社会における贈与経済のあり方や、次世代の信仰の形を探求するプロジェクトとして、現在も実験を行っている。

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