-
応募プロジェクト・アイデアのタイトル(日英併記)
Ao.
-
応募プロジェクト・アイデアの紹介動画URL(5分以内)
https://youtu.be/4HHXFbktWbQ?si=Hu1hSsJJy_H9-Smf
-
応募プロジェクト・アイデアの詳細説明(日英併記)
Ao.は、ディレクションを担う株式会社anova designと、家具を制作する株式会社KOKKOKによる共同プロジェクトです。
創業者の兄がきこり(林業従事者)だったことから東京の山林で伐採される木材が有効に活用されていないことを見聞きしていたことを発端としてこのプロジェクトは始まります。
今この時代に家具のデザインや制作をする者として、わざわざ海外から木材を輸入して利用するより、地域に余っていて捨てられ朽ちる木をどう価値を与え活かすかを考えてものづくりをすることが我々にとっては自然な流れでした。建築資材としての流通規格のある太い杉や檜はある程度の販路は確保されていますが、その他は直径80cmを超える広葉樹のような良木でも流通経路が無いためにチップや薪にされる現状があります。それらの木材を素材とした無垢の家具を藍染し現代的な工芸として国内外に発信し届けています。
Ao.の家具に触れてもらうことが、東京だけではなく自分の生まれ育った地域の自然環境やそれを活用している地域産業の保全活動や意識改革のきっかけになると考えています。
我々で活用できる木材には限りがありますが、我々の活動や家具の製造を通して、同じように木材を活用する高付加価値の産業が生まれ木材の活用が活発になれば、林業の活性に繋がり、地域の環境保全へと連環していきます。
地域資源に対して現時代的な解釈・デザイン・技法を施すことで世界に発信できる産業とすると共に、100年後も持続可能な産業であるために、材料となる木材の保全育成と、製材を含めた木材加工と染色技術の継承し100年後、1000年後の伝統工芸になることを目標としています。
Ao is the joint project of anova design, inc. and Furniture studio KOKKOK established in 2018. We design unique and modern furniture combining our delicate craftsmanship and knowledge of industrial design, by coating with the world's oldest dye; indigo.
Ao specializes in solid woodwork dyed with indigo, 100% designed and manufactured in Tokyo area. We carefully select and utilize the fine quality of Tokyo woods, bringing them into life with the Japanese craftsmanship, delicately handmade one by one. "Ao" means “Blue” in Japanese, the beautiful color of indigo. Every woodwork is coated with natural indigo at the final process of our production. Our mission is to build and realize a sustainable brand that designs and manufactures everything within Tokyo -from selecting woods to finishing up with indigo. -
審査のポイントである3つのP(for People, for Planet, for Profit)について、あなたのプロジェクトや活動ではどのような取り組みをしていますか?
人々の生活にあふれる製品の素材、特に木材の価値やあり方を再考するきっかけになるよう、藍染の家具を通して人々の生活と東京の山とをつなぐことを目指しています。そのためにサプライチェーンを明確化し、家具に使用される木材資源の採取エリアまで確認することができます。
大量に廃棄されるものへの意識改革から、山林の環境保全へと繋げます。家具の生産と販売という一つの産業と、林業がコンパクトなサプライチェーンで連環することでとすることで、永続的な木材資源の保全と確保が可能となり、持続可能な地域産業がその環境にとっても人々にとっても有益な活動になると考えます。 -
活動のメインの拠点(国と地域)を教えてください
日本 東京
-
活動時期を教えてください
2018年始動。2019年DESIGNART TOKYO 2019にて「Ao.」を発表し今に至る。
-
キーワード
#Indigo #Sustainable #Woodenfurniture
-
応募プロジェクト・アイデアのWebサイトがありましたら、URLをご記入ください。
https://ao-design.tokyo/
-
応募プロジェクト・アイデアのSNSアカウントがありましたら、URLをご記入ください。
https://www.instagram.com/ao_indigo
-
【特別賞】「100年後の地域社会への価値還元」として、100年先、1000年先にその土地で暮らす人々の資産として、文化・産業を継承する仕組みになっているか?(日英併記)
Ao.は100年先の伝統工芸(産業)を目指しています。
日本各地では、職人に受け継がれてきた伝統技術や工芸品などが、担い手不足や時代の価値観の変化により姿を消しつつあります。そのような文化的産業が失われることは我々にとって大きな損失であると共に、失われた産業を支えてきた地域資源やそれを育む環境、地域コミュニティも同時に失っていることがさらに大きな問題といえます。ものづくり産業が核となり構築していた地域のエコシステムが崩壊することは、連環している産業、文化、社会、環境の連鎖的な崩壊に繋がっていることに目を向ける必要があります。
Ao.では、木材の伐採から製材、加工、組み立て、塗装、販売までを、車で1時間半ほどの移動エリア内にある事業者で行っています。このような地産地消型といえるコンパクトなサプライチェーンと、無垢の木材家具を藍染する技術を併せ、今後地域固有の産業となる可能性を秘めています。新しく生まれた地域産業が、地域の新たな価値創造に繋がり、地域コミュニティを形成し、その地域の文化や社会を形成する骨格となるはずです。木材資源を育む周辺の自然環境への意識は必然的に高くなり山林での保全活動への参加や林業従事者も、Ao.のつくりだす持続可能な地域産業の環の中で増えていくことを望んでいます。
Ao. aims to preserve traditional craftsmanship (industry) for the next hundred years.
Throughout Japan, traditional techniques and crafts passed down through generations of artisans are disappearing due to a shortage of successors and changing societal values. The loss of such culturally rich industries is not only a significant loss for us but also poses a larger problem as it leads to the simultaneous loss of regional resources, the nurturing environment, and the local community that supported these lost industries. It is crucial to recognize that the breakdown of the ecosystem that the manufacturing industry has served as the core of can have cascading effects, contributing to the interconnected collapse of industries, cultures, societies, and the environment.
At Ao., everything from logging to milling, processing, assembly, painting, and sales is conducted by businesses within about a one-and-a-half-hour driving radius. The combination of this compact, locally sourced supply chain and the technology to indigo-dye solid wood furniture holds the potential to become a region-specific industry in the future. Newly established regional industries can lead to the creation of new values, the formation of local communities, and the shaping of the culture and society of the region. Consciousness about the surrounding natural environment that nurtures timber resources is inevitably heightened, with hopes that participation in conservation activities in the mountains and an increase in forestry professionals will grow within the sustainable regional industry created by Ao. We look forward to seeing this industry contribute to the preservation of the natural environment and the community. -
【特別賞】「生物多様性へのポジティブな影響」として、「人間中心」にとどまらず、生態系全体に対して好循環を生み出そうとしているか?
・価値のある木材が採取できる健全な山を育てること
Ao.では地域木材を活用した新たなサプライチェーン、産業をつくることが、周辺地域の自然環境の保全・育成に繋がると考えます。
木材の付加価値を高め、木材需要を高め林業の再生を計ることは山林を保育し健全な環境に戻していくことに繋がります。100年後の山林の環境はもとよりこのまま産業が衰退していけば、資源を採取する為の伐採や製材に関わる技術や人材も少なくなり、100年後には地域で育った資源を利用することができずに外国からの輸入材を利用する選択肢しかなくなってしまうかもしれません。良質な木材は定期的の整備が必要なため、これまで採取できていた杉檜でさえも品質が劣化していくことになります。現在の我々が目の前にある木材に価値を見出すことが、健全な山林への環境改善につながると考えます。
・東京の林業の変異と環境への影響
林業は高度経済成長期の1960年に最盛期を迎えます。当時はわずか1年の間に自然林の1,500ha以上(渋谷区面積=1,511ha)が伐採され杉檜が植林された人工林となっていました。
その後、国内での建設資材としての木材需要が低くなると共に2020年までに木材価格は最盛期の1/4の価格(檜丸太)に減少、木材生産量は1/6まで減少、林業従事者は2165人から2020年358人と1/6まで減少。最盛期に多様な植生のあった自然林を大量伐採し、建材として大量に植林された杉檜林は、現在9割以上が放置され都税による補助事業での間伐等も重機が入りやすい一部の山間部エリアに限られている状況です。東京の森林は面積の4割を占めそのうち6割が人工林で、全国(46%)に比べ高い人工林率となっています。人工林は手入れがされない"高齢化した森"となり、下層植生は弱体化し新陳代謝されず自然界の生態系を崩し、土砂崩れや水害などの災害、花粉や水質汚染など人体への悪影響を引き起こします。 -
【特別賞】 「新しいパートナーシップのデザイン」として、異業種間の連携や、生活者との共創、サプライチェーン内における役割の転換など、他者との新しい協働のかたちを実現しているか?
あなたの住まいにある木製のテーブルは、どこの産地の木が伐採されどのように加工され、あなたの生活の一部になったのかご存知ですか?我々Ao.のプロダクトを生活の一部に取り入れることで、家具の木材の産地である東京の山森との関係を意識することができます。またAo.では製品の購入者を含めた関係者による山林の伐採現場の見学会や、伐採現場や家具の加工工場の映像アーカイブを通して、東京の山と木材をより身近に意識してもらう活動に取り組んでいます。
異業種間での連携でいえば、富山県の大手家具販売企業との共同プロジェクトにおいて、購入された商品の納品時に回収してくる廃棄家具(年間の廃棄処理費用約3000万円)を対象にした家具のリノベーションプロジェクトを行っております。補修箇所には廃棄された地域で伐採された無垢材を組み込み藍染した、廃棄家具と新しい無垢材とのハイブリット家具『Ao.Re:(アオリ)』シリーズがあります。
また愛知県の大手ハウスメーカーとの共同プロジェクトにおいて、木造住宅の梁や柱の製材時に排出される廃材を家具にする『家になれなかった家具-The furniture wanted to be a home.-』シリーズなどの取り組みがございます。
また木材が活用できる分野は多岐にわたります。大規模な公共プロジェクトから小さな食器まで、我々の身近な生活空間には木材に溢れています。Ao.では最小限の製造工程でのものづくりを実践しているため、常に様々な分野、業種、技術者とのコラボレーションができる体制を整えています。
- 126
Ao.
「Ao.」は、東京で採取された木材を藍染料で染め上げたメイドイントーキョーのデザインプロダクトです。
|材料|
Ao.では、環境保全を目的とした伐採後に山林に残置されていた木、伐採後に販路がない為にウッドチップや薪にされていた木、製材されながらも湾曲した根元や主材料の端材など、建材や家具の材料として利用価値がありながらも活用されていなかった無垢材を家具の材料としています。
|技法|
古来から布を染める為に使われてきた技法の「藍染」を木製の家具に転用し独自の染色技術を施しています。樹種や部位によって色の異なる木材を藍色で統一することで端材のつなぎ合わせであっても一枚板のような重厚な一体感をつくだしています。
また職人の手作業による無垢の木材の加工技術を用いて、複数の端材をつなぎ合わせた大きな天板のテーブルや、複雑な継手を用いた椅子などを制作しています。
|デザインアイデンティティ|
Ao.(青)の由来でもあるジャパンブルーとも呼ばれる「藍色」に染め上げられた木肌は、木本来の木目の美しさを際立たせ素材として独特の存在感を纏っています。
また無垢の重量感を活かすために量感のある厚みを持たせつつ、端部にはエッジの効いた直線的なデザインを施すことで普遍的でありながら現代的なデザインを目指しています。
|サプライチェーン|
東京という1つのエリアで伐採、製材、加工を行うサプライチェーンを作り、製造にかかる中間コストを最小限にしています。
また必要以上の木材を消費しない為に、Made-to-order(完全受注生産)にて商品を提供することで、つくられたまま使われない商品や、在庫管理にかかるコストを見込んだ高い値段は設定はしてません。
それぞれの環境や好みに合わせたオーダーをいただいてから制作することで、より長く愛されるサステナブルな家具作りができると考えています。
|材料|
Ao.では、環境保全を目的とした伐採後に山林に残置されていた木、伐採後に販路がない為にウッドチップや薪にされていた木、製材されながらも湾曲した根元や主材料の端材など、建材や家具の材料として利用価値がありながらも活用されていなかった無垢材を家具の材料としています。
|技法|
古来から布を染める為に使われてきた技法の「藍染」を木製の家具に転用し独自の染色技術を施しています。樹種や部位によって色の異なる木材を藍色で統一することで端材のつなぎ合わせであっても一枚板のような重厚な一体感をつくだしています。
また職人の手作業による無垢の木材の加工技術を用いて、複数の端材をつなぎ合わせた大きな天板のテーブルや、複雑な継手を用いた椅子などを制作しています。
|デザインアイデンティティ|
Ao.(青)の由来でもあるジャパンブルーとも呼ばれる「藍色」に染め上げられた木肌は、木本来の木目の美しさを際立たせ素材として独特の存在感を纏っています。
また無垢の重量感を活かすために量感のある厚みを持たせつつ、端部にはエッジの効いた直線的なデザインを施すことで普遍的でありながら現代的なデザインを目指しています。
|サプライチェーン|
東京という1つのエリアで伐採、製材、加工を行うサプライチェーンを作り、製造にかかる中間コストを最小限にしています。
また必要以上の木材を消費しない為に、Made-to-order(完全受注生産)にて商品を提供することで、つくられたまま使われない商品や、在庫管理にかかるコストを見込んだ高い値段は設定はしてません。
それぞれの環境や好みに合わせたオーダーをいただいてから制作することで、より長く愛されるサステナブルな家具作りができると考えています。