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どの絶滅危惧空間を扱うのか(300文字以内)
本提案が対象とするのは、「絶滅危惧空間」という言葉を通して都市を見ている私たち自身の価値観である。
それぞれ異なる背景を持つ空間は、「残すべきもの」「活用すべきもの」と語られる一方で、その判断が誰の視点や価値観に基づいているのかが十分に問われることは少ない。
そこで本提案では、募集要項の「論考/取り組み」という枠組みを手がかりに、絶滅危惧空間そのものではなく、それをどのように見ているのかという私たち自身の視点を変異の対象として提案する。
都市をどのような価値観で読み、どのような未来を選ぼうとしているのか。その思い込みや刷り込みを可視化し、都市へ問いを投げかけること。それこそが、本提案における「絶滅危惧空間」の新たな定義である。 -
なぜその絶滅危惧空間を扱うのか(600文字以内)
私は長い間、「社会」から可能な限り距離をとって生きてきた。そう思い込んできた。
「社会」のイメージに対して、ポジティブなものが皆無であり、どちらかというとアナキズムやリバタニアリズムなどの社会を壊す方法に関心をもち、外側から壊そうとして失敗した人をみたり、壊そうとしていく上で自分自身も含めて壊れることに気づいたりもした。
教育、企業、行政、大学など、さまざまな立場から社会の内側に関わるなかで、その考えは少しずつ変わっていった。社会は一人の意思でつくられているのではなく、多くの人が受け継ぎ、更新し続けてきた価値観や判断の積み重ねによって形づくられていることに気づいた。そして同時に、自分自身もまた、多くの思い込みや刷り込みによって社会を、都市を見ていたことに気づいた。
都市にある建物は、外側から眺めているだけでは中で何が起きているのかわからない。社会も同じだった。だから私は、まちづくりや都市計画に関わる組織の内側へ入り、社会を変えるとはどういうことなのかを知ろうとした。
その経験から始めた実践が「社会版画」である。社会版画は、社会に刷り込まれた価値観を否定するための活動ではない。それらを対話によって見つめ直し、必要であれば刷り直し、新しい版を他者とともにつくっていく表現活動である。
だから私は、「絶滅危惧空間」という言葉もまた、一つの価値観として見つめ直したい。空間を守るか失うかを議論する前に、私たちはどのような版を通してその空間を見ているのか。その問いから始めることが、これからの都市には必要だと考えている。
以上が理由である。 -
どのようにその絶滅危惧空間を変異させるのか(1200文字以内)
私は、絶滅危惧空間を保存する計画や再利用のアイデアを提案したいのではない。提案したいのは、都市を見つめる私たち自身の版を刷り直すための仕組みである。都市を一枚の「版」として捉えると、そこには歴史、制度、生活、文化、経済、記憶が幾重にも刷り重ねられている。そして、その都市を見ている私たちもまた、それぞれ異なる版を持っている。
社会版画の手法はシンプルである。まず参加者は都市を歩き、それぞれが気になった場所を選ぶ。重要なのは、その場所を評価することではない。「なぜその場所が気になったのか」「なぜ残したいと思ったのか」「なぜ違和感を覚えたのか」という、自分自身の反応を見つめ直すことである。
次に、それぞれが持つ価値観を版画のように重ね合わせる。異なる視点が重なることで、一人では見えなかった都市の姿が現れてくる。その対話の過程を、版画作品、ドローイング、地図、文章、展示、出版、ワークショップなど複数のメディアによって社会へ再び刷っていく。
ここで重要なのは、一つの正解をつくることではない。都市は完成されたものではなく、対話を通して何度でも刷り直され続ける存在だからである。社会版画とは、自分の思い込みを外に出し、人と語り合い、その対話を再び社会へ刷り返していく実践である。版画では、一枚の版から複数の作品が生まれる。しかし版は完成ではない。削られ、彫り足され、刷り直されながら、新しい表現が生まれていく。
都市もまた同じである。完成した都市は存在しない。都市は、人々の意思や制度、生活によって刷り直され続ける版である。
本提案は、絶滅危惧空間を変異させることを目的としない。その空間を見ている私たち自身の版を変異させることで、都市を何度でも刷り直していく試みである。
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都市を刷り直す。SOCIAL REPRINT Urban Edition [RED SPACE MUTATIONS #01]
社会は変化し続け、完成することはない。私は、都市もまた同じ構造を持っていると考えている。
社会と都市の違いは、伝説があるかどうかくらいではないだろうか。都市伝説を社会伝説とは言わない。
都市は建物や道路だけでできているわけではない。そこには歴史や制度、文化、生活、そして「この場所には価値がある」という私たちの価値観が幾重にも刷り重ねられている。つまり都市は、一枚の「版」であり、今この瞬間も彫り続けられている存在である。
SOCIAL REPRINT Urban Edition は、その都市を「都市伝説」の一枚の版として捉え、都市を見つめる私たち自身の思い込みや刷り込みを対話によって刷り直していく社会版画プロジェクトである。
本提案では、募集要項を「論考/取り組み」として拡張して解釈し、絶滅危惧空間そのものではなく、それをどのような価値観で見ているのかという私たち自身の視点を変異の対象とする。
都市を保存することでも、再利用することでもない。異なる価値観を持ち寄り、それぞれが刷られてきた版を対話によって見つめ直し、新しい都市の版を共につくっていく。その過程を版画作品、展示、出版、ワークショップとして社会へ再び刷り出していく試みである。
都市は版画のように人へ刷り込まれ、人はまた、その価値観を都市へ刷り返していくものである。
社会と都市の違いは、伝説があるかどうかくらいではないだろうか。都市伝説を社会伝説とは言わない。
都市は建物や道路だけでできているわけではない。そこには歴史や制度、文化、生活、そして「この場所には価値がある」という私たちの価値観が幾重にも刷り重ねられている。つまり都市は、一枚の「版」であり、今この瞬間も彫り続けられている存在である。
SOCIAL REPRINT Urban Edition は、その都市を「都市伝説」の一枚の版として捉え、都市を見つめる私たち自身の思い込みや刷り込みを対話によって刷り直していく社会版画プロジェクトである。
本提案では、募集要項を「論考/取り組み」として拡張して解釈し、絶滅危惧空間そのものではなく、それをどのような価値観で見ているのかという私たち自身の視点を変異の対象とする。
都市を保存することでも、再利用することでもない。異なる価値観を持ち寄り、それぞれが刷られてきた版を対話によって見つめ直し、新しい都市の版を共につくっていく。その過程を版画作品、展示、出版、ワークショップとして社会へ再び刷り出していく試みである。
都市は版画のように人へ刷り込まれ、人はまた、その価値観を都市へ刷り返していくものである。
