COMPETITION

身近な発明チャレンジ powered by NISSAN

身近なモノやコトの組み合わせで「その手があったか !」と思わせるようなアイデアを募集します。

結果発表 2023/07/19(水) - 2023/10/02(月)

身近な発明チャレンジ 結果発表!!

応募総数200点から選ばれた受賞プロジェクトを公開!

身近な発明チャレンジでは、「寄せ集めて自分で繕う」を意味するBricolage(ブリコラージュ)をテーマに、自分なりの着眼点を活かした日常生活をより豊かにするアイデアを募集し、約2ヶ月の応募期間で200点の応募が世界中から集まりました。

身近なモノやコトの組み合わせで「その手があったか !」と思わせるようなアイデアを集める「身近な発明チャレンジ」の受賞プロジェクト13点を発表します(内訳:総合賞5点、次世代賞4点、みんなが選んだ賞4点)


賞について

選ばれた13点の作品・プロジェクトには、事務局より記念品を授与いたします。
次世代クリエイターの古井翔真さんと共に、ものづくりにおける身近なものや廃材などを寄せ集め、「Bricolage(ブリコラージュ)」を体現したトロフィーを制作しました。




____________

総合賞

The Rebirth of Furniture

応募者: Luling Jing

審査員コメント : Klein Dytham Architecture

The Rebirth of Furnitureプロジェクトは、ブリコラージュのアイデアを非常に直接的で力強い方法で具現化している。ベビーベッドは通常、短期間で使われ、次の赤ちゃんのために受け継がれなければ、使われなくなる。ベビーベッドには特徴的なパーツがあり、椅子やベンチ、ローテーブル、コート掛け、タオル掛けなどに無限に作り変えることができる。ユーモアを交えながら、ベビーベッドの短い寿命を延ばす楽しい方法だ!
私たちは、The Rebirth of Furnitureプロジェクトが、リミックスされた家具が持つあらゆる興味深い可能性について考えるきっかけになることを願っています! (日本語訳)

ボトルキャップ循環ガチャ

応募者: ファブラボ広島安芸高田・渡辺 洋一郎

審査員コメント : Kyle Li

教育体験の成功とは、参加した人たちが自分自身のやり方で、そのテーマをもっと知りたいと思うようになることです。ガチャが世界のポップ・カルチャーで注目を集めるなか、このプロジェクトは若い世代にリサイクルを遊び心あふれる方法で伝えているという点で、とても意義深いと感じます。カプセルの中身をデザインするという発想も面白く、学習体験を次のレベルへと押し上げています。このプロジェクトは、オープンソースとして公開されていて、誰でも、遊び心にあふれた学びと、自分なりのリサイクルの形を作り上げることができます。古いものと新しいもの、遊び心と学びの融合(remix)は、究極のブリコラージュだと私は思います。 (日本語訳)

ライト一体型ドアノブ

応募者: OLIBRAINnh

審査員コメント : 戸沼君香

どこかで地震が起こるたびに「うちでも何か対策しておかなきゃ」と思いながらも、なかなか準備が進まない人は多いはず。一から防災グッズをすべて揃えるのは難しくても、シンプルで、ドアノブがある部屋ならどこにでも設置できるものがあったとしたら?小さな工夫で誰かを助けられるかもしれない、という発想にインスピレーションを受けました。非常時以外でもドアから取り外して懐中電灯として使えることで、日常的な汎用性も高いのでは。本アワードのテーマである「ブリコラージュ」は、何も複数の素材を寄せ集めなくても、「ライト×ドアノブ」というちょっとした掛け合わせで実現できるものなのだと思わされたプロジェクトでした。

使い捨てない天然素材の歯ブラシ 日本製

応募者: ナエス - Nhes. 自然にかえる歯ブラシ

審査員コメント : 上田哲郎

今回のテーマはブリコラージュでした。ハイテクやエンジニアリングとは異なるアプローチでサステナブルな未来に個人レベルでチャレンジできる、それがブリコラージュの意義です。そういう意味で歯ブラシのような一見使い捨てしてしまいそうな小さなものを使い続けるためのサービスが存在しているというのは秀逸なアイデアだと思いました。結局のところ小さな知恵の積み重ねによる全員参加の活動こそが一番サステナブルに効くのだと思います。車のような大きくて重たいものでも是非見習っていきたいと思います。

エコ手摺

応募者: Junji Kezuka

審査員コメント : Klein Dytham Architecture

都会のタワーマンションに住んでいると、バルコニーや手摺はどこにでもある。また、パンデミックにより、人間のウェルビーングに対する植物の重要性がますます強調されるようになり、緑あふれるバルコニーが増えている。エコ手摺は、必要な安全機能と、さらに自由なマイクロ気候制御を組み合わせた賢いアイデアだ。日差しは弱いものの十分な日照がある東京の冬、手摺は暖かくなりそばにある植物が恩恵を受ける一方、暑い夏にはパイプから涼しげなミストが放出される。理想的な状況では、エコ手摺は、バルコニーだけでなく室内側の冷暖房の負担を軽減するミクロな気候緩衝ゾーンを作り出すことができる。素敵なアイディアだと思いませんか? (日本語訳)



____________

次世代賞

Oneness

応募者: Zeynep

審査員コメント : Kyle Li

自然と共存している未来について思い描くことが多いですが、そんなときにぴったりなジャケットです。一見突飛にみえるかもしれませんが、人類が直面している厳しい環境状況を考えると、近い将来、我々が行う努力の真摯なシナリオを示しているプロジェクトだと思います。私たちがそのような未来に向かわざるを得ないのか、それとも私たちの意志なのかは別として、デザイナーが考え抜かれたデザイン・プロセスに自然を取り入れ始めていることを高く評価したいです。未来の共存に向け、ブリコラージュの臨機応変さを実によく物語っているといえるでしょう。 (日本語訳)

Strawless Turtle Pak

応募者: Malika Chopra

審査員コメント : 戸沼君香

社会をもっとよくする世界のアイデアを日々発信するメディアの編集者として、「草ストロー」や「竹ストロー」などプラスチックに変わるさまざまな代替素材ストローを取り上げてきたのですが、この「The Strawless Turtle Pak」は、そもそも紙パック容器の形を工夫すればストローはいらないのでは、と根本的なマインドを問い直してくれるプロジェクトでした。日本では誰もが触れたことのある「折り紙」をうまく使い、できるだけ少ないリソースでアイテムを作っていることも評価できた点です。外出先で飲む想定ということで、一度使った後すぐに捨てなくていい設計ができたら素晴らしいですね。

誰にも取らせない。私だけの便利な傘。

応募者: rtzmzm

審査員コメント : 上田 哲郎

楽しくなければサステナブルではないというの本当だと思います。傘と靴ベラという小さなものをよく観察して組み合わせるというのはブリコラージュ的に優れたアイデアだと思います。しかしこのアイデアの本質はそこではなくて人が使った靴ベラに触りたくないという心理が傘の盗難を防ぐという点です。思わず自分が人の靴ベラを握ったらどうだろうかと想像するとクスっと笑ってしまいたくなります。二重三重に考えられたアイデアに敬服しました。

solar crew:空き家が地域をつなぐ防災拠点に


DRIVE MYSELF PROJECT事務局コメント :

「solar crew」は、コンセプトが美しく、ブリコラージュをより大きなスケールで実践しているプロジェクトでした。ブリコラージュの手法が建築やリノベーションにも適用されていて、さらにコミュニティに根ざしているところが素晴らしいと思いました。
また、地域のコミュニティセンターとして機能すると同時に、プロセスの中で若者や子どもたちが防災について学ぶことができるという教育的側面もあります。日本の空き家は全国レベルで増え続けていますが、これはひとつの活用戦略になるかもしれません。
空き家を改修してソーラーパネルなどの持続可能エネルギー源を利用し、災害が起こる前の教育と災害後の支援を担いながら地域住民が集う拠点を形成するというしくみですが、平時と災害時の空間の使い分けもある意味ブリコラージュの一種として捉えることもできますね。
日本において空き家のリノベーションは浸透しつつありますが、このプロジェクトは、日本の課題を複数まとめて解決する非常に興味深い試みだと思います。ブリコラージュはそんな課題のソリューションを束ねるためのひとつのアプローチ手法なのではないでしょうか。







____________

みんなが選んだ賞

Al Laymoun: Shortened Character-set for Flick-input

応募者:Maroa-Isabell Al-Sahlani

Anemo

応募者:Nirmal Thomas

フスマスペース

応募者:loha

SOFT LOOP SHELF

応募者:SOGU


____________

総評コメント

Klein Dytham Architecture

ブリコラージュとは、ある状況を改善するために物体とその機能を組み合わせるために、手元にあるものでやりくりするというアイデアである。このプロセスは、しばしば素晴らしい解決策を生み出し、最終的に適切な製品となって私たちの生活を便利にしてくれる。このような流れの中で、私たちは、さらに開発され採用されるようサポートされるに値するような優れたアイデアが、世の中にどれほどたくさんあるのかということに、非常に良い意味で驚かされた。しかしながら、フォワード・フューチャー賞の若い世代からの応募は、マインドを重視し、よりソフトウェアやプラットフォームに焦点を当てたものであったのに対し、一般賞ではより物理的で実践的なオブジェクトのブリコラージュが含まれていたことは注目に値する。ブリコラージュ大賞は確かに刺激的であり、ぜひとも広く奨励されるべきものだ!  (日本語訳)

Kyle Lee

私は、応募された作品の豊かな発想と創造性、そして鋭い視点であたりまえの中にある細かな事象に目を向けているところに強く惹かれました。あるプロジェクトは非常にユニークなやり方で点と点を結びつけ、あるプロジェクトは何気ない日常生活から素晴らしい着眼点を見いだし、あるプロジェクトは当たり前と思われてきた現状に挑戦し、またあるプロジェクトは困難な時代を乗り越えるためのちょっとした遊び心が込められている。私は常々、より良い未来のデザインは人々のことを考えたより良い生活体験をつくることから始まると考えています。この公募の作品は、そういったことを見事に証明しているものでした。この取り組みに関われたことを光栄に、またとても嬉しく思っています。 (日本語訳)

戸沼君香

200を超える作品たち。普段は使われずに捨てられてしまうものを寄せ集めてアップサイクルするというプロジェクトも多く、ひらめきがあればこの世界に「ごみ」などないのではないかと希望が持てました。アワードは一つに絞るのが難しく、今回は選べなかったプロジェクトもあったのですが、審査員のなかでは「ぜひ実際に作品を触れる展示があったら面白いのでは」という声も。また多くのプロジェクトの課題設定を見て、個人的にはあまり身近ではなかった困りごと、たとえば水飲み習慣の無さや、コスメの廃棄の多さ、募金のハードルの高さ、書字障害などを少し知ることができたので、今後はさらに人に寄り添える情報発信ができたらと思います。

上田哲郎

ブリコラージュはこれからサステナブルの重要なキーワードになってくると思います。まさに今回応募いただいたような小さなアイデア、小さな対象、小さな活動の積み重ねが大きなうねりとなって誰もがサステナブルの当事者になれると思います。もう人任せにしない、自分にできるサステナブル、それがブリコラージュです。修理しながら長く使うこと。本来とは別の目的に使ってみること。あるものをよく観察すること。何より人類にとってブリコラージュすることは楽しい。このテーマで多くの応募をいただいたことに心から感謝いたします。エンジニアリングだけではないサステナブルのためのもう一つの選択肢、ブリコラージュに大きな可能性を感じることができたともに、みんなのアイデアをシェアすることによるオープンイノベーションの可能性も感じることができました。ありがとうございました。

お問い合わせ

前へ

followを解除しました。