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雑誌 365 Art+ Magazine 第12号にグラフィック掲載
雑誌 365 Art+ Magazine 第12号「365 Art+ Case 12. Cosmos」の本扉にグラフィック「Avalokiteshvara / 権化」を掲載いただきました。
この雑誌を手に取ってくださる全ての方々が幸福に包まれ、奇跡を紡いで行ってくださることを心よりお祈り申し上げます。
The graphic "Avalokiteshvara" was featured on the main door of 365 Art+ Magazine issue 12 "365 Art+ Case 12. Cosmos".
I sincerely hope that all the people who look at this magazine will be surrounded by happiness and weave miracles.
*
Avalokiteshvara / 権化
Mar 2020 / 117 x 78 cm
https://dolice.design/avalokiteshvara
私は対人間のコミュニケーションが生来苦手で、舌足らずで不器用なため、随分と悩んで来たように記憶しています。その一方、仕事面では饒舌で、創作面では言葉以外の意思疎通媒体を用いることが主ですから、不自由を感じたことはありません。
その両面のギャップに言い様のない違和感を覚え、やがて精神と肉体が剥離して行く感覚が増すにつれて、当たり前に在る孤独感に寄り添うことに何よりの安寧を感じるようになりました。自身の傷みについては他人事のように感じ、半ば麻痺していたように思います。
創作の過程でこのようなビジョンを見たことがあります。幼い頃の自分が小学校の校舎を背にして校庭に一人立っており、校庭の外には沢山の民家が建っていました。しかし校舎の中にも校庭にも、そして町にも、誰も存在していないことだけは確かに認識していました。
完成した作品を見る時はいつもこう思いました。
「なるほど、世界は今、こんな様相なのだな」
何よりも幸せに満たされた瞬間でした。
私はこれまでもこれからも様々な存在に守られながら生かされて行くのだろうと思いますし、そう願います。沢山の奇跡に恵まれ、本当に幸せな人生だと思います。
毎朝毎晩、神棚に手を合わせて感謝することが若い頃より習慣となっていました。毎日を無事迎え、無事終えられることに感謝しています。祖父母はそれを「お勤め」と呼び、同じように毎朝毎晩、仏壇に手を合わせていたのを憶えています。
私の生家が信仰するのは仏教の浄土真宗大谷派で、御本尊は阿弥陀如来様です。「南無阿弥陀仏」の六の字の心は確か、阿弥陀如来様に感謝の念を捧げるという意味だったかと思います。
阿弥陀如来様は善人も悪人も、また信仰の有無も問わず、皆平等にお救いになられる仏様です。例え「南無阿弥陀仏」と唱えなくとも、無条件に極楽浄土へ召されるのだから、そもそも「ご冥福をお祈りする」という概念すらありません。
私は赦されないだろうと思います。私が赦さないからです。かつては極楽浄土へ往きたいという幼い願望はありましたが、昨年の生身の人間としての辛い経験を通し、そのような都合の良い考えはどこかへ行き、代わりに生かされて生きることへの責任を負いました。
極限状態の中で、これまで出会った方々が自分にくださった言葉の数々を思い出しました。沢山の存在に紡いで貰った命を粗末にしてはならないと思いました。小さな溝川の向こうに美しい夕陽が見えました。それが何であるかは言葉に出来ませんが、私は何か大切なことにようやく気が付いたようでした。
私はこの経験を与えてくださった全ての存在に感謝し、己の弱さも小ささも愚かさも全てを受け容れ、それら全てを余すことなく表現して行きます。
*
365 Art+ Case 12. Cosmos
https://365artshop.stores.jp/items/61cc8f13113ce0484116288a
365 Art+ Magazine
https://365artshop.stores.jp
毎日アートマガジン
https://365artplus.com
Dolice Design - 365 Art+ Magazine
https://dolice.design/365-art-plus-magazine
この雑誌を手に取ってくださる全ての方々が幸福に包まれ、奇跡を紡いで行ってくださることを心よりお祈り申し上げます。
The graphic "Avalokiteshvara" was featured on the main door of 365 Art+ Magazine issue 12 "365 Art+ Case 12. Cosmos".
I sincerely hope that all the people who look at this magazine will be surrounded by happiness and weave miracles.
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Avalokiteshvara / 権化
Mar 2020 / 117 x 78 cm
https://dolice.design/avalokiteshvara
私は対人間のコミュニケーションが生来苦手で、舌足らずで不器用なため、随分と悩んで来たように記憶しています。その一方、仕事面では饒舌で、創作面では言葉以外の意思疎通媒体を用いることが主ですから、不自由を感じたことはありません。
その両面のギャップに言い様のない違和感を覚え、やがて精神と肉体が剥離して行く感覚が増すにつれて、当たり前に在る孤独感に寄り添うことに何よりの安寧を感じるようになりました。自身の傷みについては他人事のように感じ、半ば麻痺していたように思います。
創作の過程でこのようなビジョンを見たことがあります。幼い頃の自分が小学校の校舎を背にして校庭に一人立っており、校庭の外には沢山の民家が建っていました。しかし校舎の中にも校庭にも、そして町にも、誰も存在していないことだけは確かに認識していました。
完成した作品を見る時はいつもこう思いました。
「なるほど、世界は今、こんな様相なのだな」
何よりも幸せに満たされた瞬間でした。
私はこれまでもこれからも様々な存在に守られながら生かされて行くのだろうと思いますし、そう願います。沢山の奇跡に恵まれ、本当に幸せな人生だと思います。
毎朝毎晩、神棚に手を合わせて感謝することが若い頃より習慣となっていました。毎日を無事迎え、無事終えられることに感謝しています。祖父母はそれを「お勤め」と呼び、同じように毎朝毎晩、仏壇に手を合わせていたのを憶えています。
私の生家が信仰するのは仏教の浄土真宗大谷派で、御本尊は阿弥陀如来様です。「南無阿弥陀仏」の六の字の心は確か、阿弥陀如来様に感謝の念を捧げるという意味だったかと思います。
阿弥陀如来様は善人も悪人も、また信仰の有無も問わず、皆平等にお救いになられる仏様です。例え「南無阿弥陀仏」と唱えなくとも、無条件に極楽浄土へ召されるのだから、そもそも「ご冥福をお祈りする」という概念すらありません。
私は赦されないだろうと思います。私が赦さないからです。かつては極楽浄土へ往きたいという幼い願望はありましたが、昨年の生身の人間としての辛い経験を通し、そのような都合の良い考えはどこかへ行き、代わりに生かされて生きることへの責任を負いました。
極限状態の中で、これまで出会った方々が自分にくださった言葉の数々を思い出しました。沢山の存在に紡いで貰った命を粗末にしてはならないと思いました。小さな溝川の向こうに美しい夕陽が見えました。それが何であるかは言葉に出来ませんが、私は何か大切なことにようやく気が付いたようでした。
私はこの経験を与えてくださった全ての存在に感謝し、己の弱さも小ささも愚かさも全てを受け容れ、それら全てを余すことなく表現して行きます。
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365 Art+ Case 12. Cosmos
https://365artshop.stores.jp/items/61cc8f13113ce0484116288a
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