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知られざる現代のヴィーナス

西洋美術×アメコミ

西洋絵画、特に宗教画にはやたらヌードが多いです。
しかし、裸体になっているのはヴィーナスなど神のみで、人間の裸体はキリスト教的に不道徳なので表現することは禁忌でした。そこで、神のヌードは神聖だから……という言い訳で、絵画で女性の裸体を描き、鑑賞していたわけです。
現代でも、これと同じなのでは?と思うことが、アメコミのスーパーヒロイン。彼女たちは 超能力を持ち、圧倒的な強いですが、ボンキュッボンのセクシーな肉体を惜しみなく晒しています。アメリカン・コミックスの表紙を飾る女性キャラクターについての研究で、
アメコミヒロインのバストが表紙に占める割合は半世紀で3倍に、「ここ10年は表紙幅の30%がおっぱい」という事実が報告されています。アメコミヒロインたちは強い女性を体現しているものの、性の対象となっているようです。アメコミヒロインとヴィーナス。彼女らの共通点は、神聖で強い存在でありながらも、それを盾にして、人間の性の鑑賞対象となっているということ。そんな彼女たちを組み合わせた絵を作ってみました。

これを女性の体を見たい欲に言い訳が必要な人間への皮肉ととるか、時代が変わっても人間の性は変わらないことへの笑いととるかは、あなた次第。

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