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キッチンと木と組積

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ここは、福井県勝山市のとある工房である。施主は、長年この工房で仲間たちと生地の製作を行っていたが、活動を広く知ってもらうべく、製作現場を地域に開きたいと考えていた。そこで、工房の一角にキッチン兼大きなカウンターをつくり、カフェやワークショップが行われる工房へと生まれ変わらせる計画がはじまった。地域の人や仲間とコミュニケーションを取りあえるような大きなキッチンカウンター。さらに、このキッチンカウンターはみんなでDIY でつくれるよう計画する。すると、つくりながらお互いのコミュニケーションを取り合えるからだ。そこで、つくりやすさを考慮して、カウンターと積み木を組み合わせたカウンターをデザインした。DIY でつくるには、複雑な製作だと「やる気」が損なわれてしまうので、作業の「単純さ」がとても大切である。シンプルな工程、作業とできあがったモノの美しさを兼ね備えた
デザインとする必要がある。また、工房の2F を解体した際に廃材として出てきた杉板(古材)を使ってシンプルに作れないかと考えた。そこで、地層のようにスギ板を積み重ねてできあがるキッチンカウンターを考えた。杉板を規定の長さにカットし、それを積み重ねていく。このカウンターを通して時間と技術を積層させた活動がこの工房で展開されていく。

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