BioHackAcademy(以下:BHA) とは、BioClubの活動の一環として、研究者でありアーティストでもあるGeorg Tremmelをはじめ8人で活動を進めてきました。具体的には、オランダのWaag Societyのレクチャーをもとに、アメリカやデンマークの受講者と共に、2ヶ月間かけて生物学やDIYでの実験器具の作り方を勉強し、メンバーそれぞれの関心に従って個人プロジェクトに取組んだものです。
BHA参加者は、バイオテクノロジーとは全く縁のなかった学生から生物学の研究者まで様々。FabCafeのレーザーカッターや3Dプリンターを駆使して、クリーンベンチの創作から始まり、PCR、ゲルボックス、撹拌機などをDIYで作っていきました。
個人プロジェクトのテーマは多岐に渡り、DIYで細胞をつくってしまおうとしている夫婦や、栽培困難とされる松茸を作ろうとしている人、自分の肌に付着するバクテリアで自分のドッペルゲンガーをつくっている人など様々です。
イベントでは、BHAのメンバーがそれぞれ試行錯誤を繰り返しつつひとつの作品をつくり上げていく中で、直面した課題や、学んだこと・考えたことを共有し、FabCafe MTRLでは作品展示も行いました。
開催概要
講評者
Georg Tremmel(ゲオルグ・トレメル)研究者/アーティスト
福原志保と共にBCLというアーティスティック・リサーチ・フレームワークをたち上げ、主にバイオテクノロジーの発展と水問題による社会へのインパクトと、私達の意識が、自然・社会・文化それぞれの環境においていかに映し出されているのかを探索し科学、アート、デザインの領域を超えた活動を続けている。
林千晶(はやし・ちあき) 株式会社ロフトワーク 代表取締役
花王を経て、2000年にロフトワークを起業。Webデザイン、ビジネスデザイン、空間デザインなど、手がけるプロジェクトは年間530件を超える。現在2.5万人のクリエイターが登録するオンラインコミュニティ「ロフトワークドットコム」、グローバルに展開するデジタルものづくりカフェ「FabCafe」も展開している。またMITメディアラボ 所長補佐(2012年〜)、グッドデザイン審査委員(2013年〜)、経済産業省産業構造審議会製造産業分科会委員(2014年〜)も務める。2015年には、森林再生とものづくりを通じて地域産業創出を目指す官民共同事業体「飛騨の森でクマは踊る(通称ヒダクマ)」を岐阜県飛騨市に設立、代表取締役社長に就任(2015年4月〜)。書籍『シェアをデザインする』『Webプロジェクトマネジメント標準』『グローバル・プロジェクトマネジメント』等。
BHA受講者作品一覧
‘Smal chamber of wonder’ by Enomoto family
‘Blue Cheesy Balls’ by Halfdan Rump
‘I, except me.’ – Skin Bacteria Doppelganger – by Kana Nakano
‘Matsutake Rush’ – DIYバイオ vs 研究者?! – by Masato Takemura
‘Music Yeast / 音楽酵母’ by Mayumi Sakai
‘Back to square one: #1 Poodle Girl ’ by Saki Maruyama
‘Culturing the Proximity: Harvesting and Growing Microbes on Agar Jewellery’ by Yumi Nishihara
‘Bio Painting’ by Yuki Hanamure and Yuta Toga
BioClubとは ? / What is the BioClub?
BioClubはバイオテクノロジーをオープンにし、バイオテクノロジーを必要とする様々な人や分野をつなぐためのコミュニティです。
●オープンイノベーションを創出するための政策提言
●バイオから拡がる未来についての濃密な議論
●バイオラボをオープンするためのガイドライン提供
●企業、省庁、研究機関、大学の連携方法のデザイン
●最先端の世界の動向をリサーチ BioClubではFabCafe MTRLにて勉強会やゲストトークなどを行なう定例MTGを毎週火曜日18:00から開催しています。BioClubの定例MTGはオープンなコミュニティとなっており、どなたでも参加することができます。BioClubに関するすべての情報は以下で公開されています。www.bioclub.org / http://github.com/BioClub/
●拠点:FabCafeMTRL
●参加対象 - 生物学やバイオテクノロジーに触れてみたい方、使用方法を学びたい方。 - デザイン/アート/クリエイティブに関わり、表現の新しい方法を模索されている方。 - ものづくりの新しいテーマに取り組みたい方。 - 企業で新規事業、テーマ開拓などを模索している方。