クリエイターとプロジェクトをつなぐプラットフォーム「AWRD」の新連載シリーズ「AWRD meets GLOBAL CREATORS」( #AMGC )。
「新たな感性」をテーマに、デザイナー、アーティストなどさまざまなフィールドで活躍する世界の気鋭クリエイターにスポットをあて、創作やその国ならではのカルチャーに触れていきます。
第2回目は、写真作家の#ISO1638400(イソイチロクサンハチヨンレイレイ)(以下、イソ)さん。
モノクロに統一された世界にザラっとしたノイズのような質感とフィルムカメラのアナログ感を持たせながらも、その中にデジタルの精緻さと独創性を融合させている作品群は、神秘的で絵画のような雰囲気も持ち合わせています。
「写ルンです」や「オールドコンデジ」などの「ノスタルジック」で「美しすぎない」ことに価値を求める写真の逆転現象があるなか、独自の視点と技術で現代の写真表現に新たな風を吹き込んでいるイソさんに、作品やご自身についてのお話を伺いました。
ー「ISO感度」は、値を上げ過ぎるとノイズが現れる。一見ネガティブに捉えがちな要素をあえて作品へ反映させています。現在のような撮影技法を始めたきっかけを教えてください。
ちょうど4年前の2020年7月、新しく手に入れたカメラのISO感度が仕事でどこまで使えるかを確認しようと思い、まず最大値から試してみたんです。そうしたら物凄く強いノイズの写真データが撮れて、そのノイズに一気に魅了され、それを活かした作品作りがしたいと思ったのがきっかけですね。
ー現実の一瞬を切り取るという写真の特性とは異なる方法で表現をされているように感じたのですが、撮影の際に大事にしているポイントやこだわりはどんなところですか?
実際に存在するものを撮るわけではない場合も多くあるので、とにかく「試してみる」ということを大事にしています。これをこう撮ったらどうなるだろう、これをこう撮ったらこうなるんじゃないだろうか、と言ったインスピレーションに従ってまず撮ってみる。そうすることで新しい発見があるし、一度発見したら今度はそれが武器になるのが楽しみの一つです。
ーご自身の代表作を教えてください。
思い入れのある作品はたくさんあるのですが、今年の5〜6月に開催した#ISO1638400としての初個展のメインビジュアルにも選んだこの作品かなと思います。
ーもともとストリートスナップを撮影されていたとのことですが、最近はどんな活動をしていますか?
ストリートスナップだけでなく色々と撮っていました。現在はご存知の通りISO1638400のノイズを活かした作品作り、及び人物写真撮影を始め、実は遺影写真を撮る仕事などもしています。
ーアイデアの源になるおすすめスポットがあれば教えてください。
全然スポットとかではないのですが、瞬間瞬間の自分のフィーリングに従って行動する、というのを一番大切にしています。そうすることで、自然と自分に必要なアイデアだったり、自分がインスピレーションを受けるべき作品や出来事や人物に出逢えると感じます。
ーミステリアスなイソさんですが、日本に生まれたことや日本の文化は、作品にどのような影響を与えていますか?
作品への影響はあまりよくわからないのですが、この現代日本だからこそ、自分の様な作家、というか人間が存在できているなと日々感じています。的外れな回答ですみません。笑
ー今後の展示やイベント情報がありましたらお知らせください。
9/14〜9/16に東京で個展を開催させて頂けることになりました!短い会期ですが濃厚な3日間になるようにがんばります。それから、来年の4月に京都でも個展を開催する予定です。その他のインフォメーションも不定期にありますので、是非ともX(旧Twitter)をフォローしチェックして頂けたら嬉しいです。
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個展『無いを観る/内を観る』
会期:2024/9/14(土)〜9/16(月)
時間:11時〜19時
場所:between gallery
住所:東京都三鷹市井の頭3-12-13 井之頭パークビル102 (井の頭公園駅 徒歩1分 ※駅前です!吉祥寺駅 徒歩10分)
Profile:
カメラのISO感度設定1638400で作品を作り続ける世界で唯一の写真作家。イソさんと呼ばれてます。ノイズと抽象表現を愛しています。岐阜県中津川市を拠点に全国で活動。YouTubeも始めたい。
#ISO1638400