企業・自治体・クリエイターが共に多様なテーマに取り組むための公募・共創プラットフォーム「AWRD(アワード)」の連載シリーズ「AWRD meets GLOBAL CREATORS」( #AMGC )。
「新たな感性」をテーマに、デザイン、アート、ビジネスなど、さまざまな分野で活躍する世界の気鋭の挑戦者にスポットをあて、創作や活動、公募の価値、その国ならではのカルチャーに触れていきます。
今回登場いただくのは、グラフィックアート、デジタルアート、サウンドクリエイション、ファッション、映像表現など、多様なジャンルを横断しながら活動するクリエイター大澤利己さん。
NFTプロジェクト「PA3L」のファウンダーとしての活動をはじめ、ファッションデザイン、アートディレクション、映像編集、キュレーションなど、領域を限定しない実践を重ねています。
本記事では、ジャンルやメディアを自在に行き来する大澤さんに、制作の原点や異なるジャンルを横断することによる表現の可能性について伺います。
ー 映像、サウンド、デジタルアート、ファッションなど幅広いジャンルで活動されていらっしゃいます。ジャンルに留まらない制作スタイルは、どのように生まれていったのでしょうか。
高校時代から他ジャンルのアートを学んだ結果、ファッション分野で表現することが適切に感じ、ショーに参加したり作品撮りを行っていました。専門学校を卒業後ブランドを立ち上げましたが、映像作品としてコレクションを発表したく独学で映像制作を習得、それに付随して楽曲制作も並行し…というように出来る幅を広げていきました。グラフィックデザイン含め学生時代の動きがそのまま今に続いている感じです。
ー (映像・音・空間・ファッションなど)表現媒体を横断する理由をどのように考えていますか。ひとつのメディアでは表現できないものを、複数のジャンルを組み合わせることで実現しているのでしょうか。
毎日自炊で色々な料理を作るのと一緒で、自分の中では映像もグラフィックも音も一緒の感覚です。その時食べたいもの、更に言うなら食べなきゃいけないものを作るみたいな。それがたまたまインスタレーションだったりNFTだったりする。出力されるものはその時々によって違っていて、気付くと領域を横断していることが多いですが、だからと言って必ず横断というこだわりはないです。
ー映像、インスタレーション、アートディレクション、ファッションなど、関わるメディアや、クライアントワークや自身のアートワークなど、立場によってアウトプットの方法が変わると思います。それぞれの制作で「これは特に意識している」という違いがあれば教えてください。
クライアントワークはありがたいことに自分の作風に近い案件を任せて頂くことが多く、そこまで頭の切り替えをしている訳でもありませんが、プロジェクトの歯車であるということに徹して、納期から逆算し何が何でも求められた以上のものを上げることは意識しています。自分の制作についても仕事と同様に”やらなきゃいけないこと”という意識なので、それを止めたら自分の何かが終わる気がしています。
ー NEWVIEWやComoNeプログラム#02をはじめ、AWRDで展開される公募や共創プロジェクトのビジュアルも手がけられています。応募者にプロジェクトの魅力を伝え、参加への意欲を引き出すために、どのようなことを大切にしていますか。
ビジュアルについては実際の展示風景まで想像して制作しています。そこを応募者に想像して頂けるものに出力するまで、プロジェクトの概要をひたすら噛み砕いて色々な視点から答えを導き出す感覚です。勿論何も制約が無い訳ではないので、メタ的に逆算して課された課題から少しはみ出るような、実は反逆的な工程を踏んだビジュアルにしています。
ーPA3Lでは作品だけでなく、Webサイトや映像、サウンドまでご自身で制作されています。一つの世界観を最後まで自分で設計することにこだわる理由や、その制作プロセスについて教えてください。
PA3Lに限らず出来るだけ自分から抽出された純度100%に近いものを生み出したいという意識が常にあり、状況に応じてやむを得ず他の人の手を借りています。PA3Lは一見普遍的なデジタルアートですが、自分の死生観がかなり色濃くMIXされており、それをNFTという技術に乗せたプロジェクトです。感情的なプロセスは自分で踏むしかない為、必然的に自分以外の人間が入る隙があまり無いという感じです。
ー PA3Lを含め、大澤さんの作品では「音」が非常に重要な役割を担っている印象があります。大澤さんにとって、音はどのような立ち位置で扱っていらっしゃいますか。
基本的にどの作品においても脳内では音が鳴っています。それを具現化するかは時と場合によりますが、単純に音があった方が作品を観る際使う感覚に奥行きが出るのと、映像の場合連携させることで面白い結果を生むことがあるので音を含めた作品を制作することが多いです。逆に”無音”を鳴らした方が良い場合もあるので、その場合は音は付けず、その場の環境音を含めて作品が完成するようにしています。
ー 今後チャレンジしたいことなどありましたら教えてください。
やりたいことは沢山あるのですが、完璧な状態でないならやらない方がマシというスタンスでした。それによる弊害で発表出来るタイミングを逃したり先送りにすることが多かったのですが、今後は良い意味でカジュアルに視野を広げていけたらと思っています。コンペも敢えて避けてきた節がありますが、そこを含め上手く目を向けていけたらなと。死ぬまで制作は続くので、日々精進します。
大澤 利己
1991年 東京都世田谷区生まれ。
グラフィックアートやデジタルアート、サウンドクリエイションから衣類デザインまで多種多様なカルチャーやジャンルをMIXさせた表現を得意とし、近年ではNARITA ART RUNWAYでの受賞や渋谷ヒカリエでの個展等様々なアートイベントに参画。
多数のプロジェクトのアートディレクションやクリエイション、NFTプロジェクト"PA3L"のファウンダー、有名アーティストのMVやライブ演出の映像エディター等幅広く活動。
クリエイティブユニット"Hz"所属。

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編集:AWRD編集部
