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Interview:賑やかなポップカラーによる、ワクワクする世界観/アレッサンドロ・ビオレッティ

2017/09/27(水)

インタビュー

ポップカラーを多く使い、お祭りのような楽しい雰囲気を持つアレッサンドロ・ビオレッティさんの作品は、どれもハッピーな気持ちにさせてくれます。

また、自身がイラストを手がけた絵本『みつけてアレくん!せかいのたび』など、ビオレッティさんの作品は、1つのイラストにかなり多くのモチーフを配置しているのにも関わらず、配色がすっきりとしていて洗練されています。
ビオレッティさんのセンスによって取捨選択された色彩たちは、どんなに多くの色を使用しても、まとまりを崩すことはありません。

ストーリー性溢れるビオレッティさんの作品の色使いには、どんな工夫が施されているのでしょう。

ー(AWRD編集部、以下略)ビオレッティさんの作品は、人や建物をぎっしり描いた、密度の高い作品が印象的です。色使いも大胆で、たとえば『ISETAN italian week』のポスターではビビッドな色をたくさん使いながらも、メリハリの利いたイメージでした。

配色でこだわっている点はどんなところですか?

(アレッサンドロ・ビオレッティ、以下略)ありがとうございます。お仕事の依頼によって、バランスをとりながら配色を考えています。

デザイン系のお仕事であれば、デザイナーさんから予め色味を指定される場合があるので、その色味をバランス良く使って彩色しています。『ISETAN italian week』の時は、コンセプトからアートディレクションまで全て担当させていただいたので、彩色も自由に選べました。イタリアがテーマだったので、明るいイメージを表現しました。

《ISETAN italian week》

ー配色はどのような手順で決めていくのですか。

お仕事の内容と作風によって手順を変えています。

ポップなイメージが好きなので、ポップカラーで配色することがほとんどですが、テーマによっては渋いトーンも使ったりします。個人制作の場合は、バランスを見ながら、思いついた色を自由に使うことがよくあります。

ービオレッティさんの使うポップカラーはとてもエネルギッシュですよね!色彩構成に関して、とくに影響を受けた作家や作品、あるいは普段参考にしているものなどがありましたらお聞かせください。

学生時代、19世紀と20世紀頃のアート作品をよく見ていたので、無意識ですが影響は受けているかなと思います。

ただ、若い頃から、色に関してはオリジナリティがあると周りから言われていました!そのなかで自分なりに、あたらしい色を組み合わせたり、実験しながら色の勉強をしていました。

色彩構成は本人のセンスによる部分が大きいと思っていて、みんなそれぞれオリジナルの色彩構成を持っていると思います。僕の目が見ている色は、きっと他の人には違った色に見えているんじゃないかなと思うんです。


《TORINO》

ー同じ色を見ていても感じ方は人それぞれなのも、各々違った色に見えているからかもしれませんね。ビオレッティさんの使うカラーや現在の作風は、どのような環境から発想を得たのでしょう?

長年絵を描いていると、無意識のうちにちょっとずつ自分のルーツが見えてきます。

他の人が持っていない、自分の中にだけあるものを繰り返すうちに、自分にとってのルーツがどんなものか、だんだん気づいてきます。


ービオレッティさんにとっての「ルーツ」とはどんなものですか。

「ルーツ」というのは、自分のなかにある世界観、クリエイターとしての生き様を表しています。

イラストは「アート」ではありませんが、視覚による情報伝達力が強いです。自分がどんな情報を伝えたいか理解したうえで、それを絵や色にあてはめていき、伝わりやすいイラストを描くようにしています。


ービオレッティさんが使いやすい、あるいは得意とする色、トーン、配色はなんですか?また逆に、使いづらいと感じるカラーはありますか?

特に好き嫌いはありません。絵を描く時は、一部実験的に色々試すことも大事だと思っているので、使ったことがない色もよく試します。


《THE TOKYOITER》

ー彩色の際に使用しているツールや画材を教えてください。また、それを用いる利点や、扱いやすいポイントは何でしょう?

作風によってツールを変えているので、色々使っています。

お仕事の制作の場合は、比較的パソコンを使うことが多いです。

手描きの時はアクリル絵の具をよく使っていますが、基本的にCMYKの4色のインクのみで彩色しています。この4色を混ぜて、欲しい色を作っていく感じです。


ーたくさんの色の絵の具が販売されている中、CMYKの4色のみで制作するのはなぜでしょう?

美術学校に通っていた時に、先生がそのように薦めてくれました。

理由は2つあって、1つは単純に絵の具が高いからです。もう1つは、4色で絞って色を作っていると、色彩のセンスが磨かれることです。もともと出来上がっている混色でなく、自分で色を作らなければいけないので鍛えられます。

ー絵の具を4色に絞ることによって色彩センスのトレーニングになってるんですね…!ビオレッティさんはイタリア生まれですが、イタリアと日本を比較した時に、「色使い」に関して違うと感じる部分はありますか?

イタリアと日本では「かっこいい」と「かわいい」の言葉のイメージすらも真逆くらい違うほど、認識に対して色んな違いがあります。例えば、日本の「かわいい」は、アニメなどのサブカルチャーから生まれた「カワイイ文化」のイメージがありますが、イタリアには一般的にそういう文化はないです。

色使いに関する違いでは、いつもそうとは限りませんが、イタリアではクラシックカラーやちょっと渋い色がよく使われています。日本の方が、ビビッドで斬新な色を使っている印象です。

最近、明治時代の有名な浮世絵師の展示を見に行った時に、ショッキングピンクなどのわりと現代的な色を使っていて、驚きました。


ービオレッティさんの出版本『みつけてアレくん!せかいのたび』は、1つの作品に人物やモチーフがびっしりと描かれていてワクワクしてしまいます。描くモチーフが多いだけに、使用する色も多かったと思いますが、配色はどのように当てはめていったのでしょう。

「みつけてアレくん!せかいのたび」は出版社から依頼をいただいて制作しました。その時まであんな複雑なイラストを描いたことがなかったので、色塗りだけでなく線画も大変でした!配色については、アクリル絵の具を使ってカラフルな世界観を出そうと着色しました。

キャラクターの「アレくん」が世界12カ国を旅する絵本になっているのですが、それぞれの国のイメージカラーを意識して、ページごとに違いを出しています。例えば、ロシアは「寒い国」というイメージがあるので「白」をイメージカラーにして、ロシアのページの色は全て白色を混ぜて塗りました。描かれているモチーフが多すぎて1つ1つの色を決めていくのが大変で、色を塗るだけで1年かかりましたが良い勉強になりました。

ー今チャレンジしていること、これからやってみたいことはありますか?

今は、12月の個展に向けて新しい色を使っています。日本画に挑戦しながら、パール色やゴールドで塗って楽しんでいます。

やってみたいことは、印刷に興味があるので色々な印刷にチャレンジしてみたいです。


ービオレッティさんの描く日本画、どんなものになるかワクワクします。ありがとうございました!


Profile:

アレッサンドロ・ビオレッティ

イタリア・トリノ生まれ。子供の頃に祖父が持っていた70年代に出版された日本の写真集をみて衝撃を受ける。イタリアの文化からは想像できない未知の世界、日本が好きになったきっかけだ。日本のあらゆるものに興味をもち、16歳から日本語の勉強を始める。18歳のとき初来日。小学館より絵本「みつけてアレくん!せかいのたび」(2014)を出版し、2015年の5月より日本に在住。現在フリーランスイラストレーターとして様々な活動をする中、2016年より株式会社ラナデザインアソシエイツ(Rana007)にてイラストレーター・デザイナーとしても活躍中。コマーシャル、挿絵、絵本、マンガ、キャラクターデザインなど様々な形で自分の世界を表現している。料理と運動と銭湯巡りが好き。

Website: http://alekun.com/ 
Portfolio: http://www.awrd.com/portfolios...

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