イッタラ、デュラレックス、Sghr(スガハラ)......。世界の定番と呼ばれるこれらのグラスは、透明度が高くクリアな質感と耐用性、機能性が優れているのが特徴です。高級感や透明感を出そうとすると、素材はガラスを使用するケースが多用されがちに。しかし今回紹介する「KINJO JAPAN E1」は、ガラスの持つ美しさの特徴を踏襲しながらも、落としても安全なグラスとしてシリコーンゴムを採用し、機能的なグラスとして登場しました。これからの定番グラスとしても大注目の異素材グラス、その特徴から誕生の背景までをご紹介します!
グラスなのグニャッとする、シリコーングラスとは?
KINJO JAPANから発売中の「KINJO JAPAN E1」は、シリコーンゴムから成るグラスです。ガラスと同等の透明度を持ち、ゴムでできているとは思えないクリア感は、シリコーンならではの素材特性ならでは。落としても割れる心配がかく、ピタッと手にフィットして安定感のあるつくりになっています。
透明感を引きたてるグラスのデザインは、切子ガラスの装飾からインスパイアされていて、高級感がありながらもどこか懐かしく、ゴムが持つ特性を活かし実用性も兼ね備えています。劣化しにくく、水切れもいい。電子レンジ、食器洗い機にも対応し、保冷、保温、両方に使える優れものです。ロックグラスとしてはもちろん、コーヒーやお茶ジュースなど、どんな飲み物にもマッチします。
中小企業が集まるものづくりの町から生まれたヒット商品
どんなシーンでも使える「KINJO JAPAN E1」を手掛けるのは大阪八尾市に本社を構える「錦城護謨株式会社」。自社が持つゴム加工技術により、魔法瓶や炊飯ジャーの蓋の内側のパッキン、オリンピックの水泳のメダリストを影から支えるゴーグルのベルトやキャップなどを手掛け、家電関係のゴム部品製造は業界シェア60%をしめるという業界では有名なゴム部品メーカーです。
これまではBtoB向けのビジネス展開だった「錦城護謨株式会社」ですが、「いつか、自分たちの名前が出せるオリジナル商品をつくりたい」という思いを抱いていました。そんな思いを実現するチャンスが訪れたのが、2019年に始動した八尾市主催のものづくりを世界に広めるプロジェクト「YAOYA PROJECT」でした。
YAOYA PROJECTについて
「YAOYA PROJECT」は、八尾のものづくりを世界へ広めるためのプロジェクトです。日本のものづくりを裏側から支え、あらゆる生活雑貨や工業製品を生み出してきた八尾の企業たちは優れた技術を持っていても、それを世の中に伝えられてきませんでした。そのような状況から脱却するため、培ってきた技術力を活かしたオリジナルプロダクトをつくり、今後数年かけて世界の様々な市場への展開をめざすというものです。
プロジェクトでは、八尾市の参加企業8社と一緒に、世界を舞台に挑戦してくれるクリエイターを公募し、選ばれたクリエイターと八尾の企業との協業によりプロダクト開発を進めていきました。初回は市場の舞台を台湾に定め、視察や展示会を現地で開催し流通のチャンスを狙いました。
「何これ!全くの別物、高級感がヤバイ!」当初とは一線を画す製品に
参加企業の1社であった「錦城護謨株式会社」は、「シーラカンス食堂」の企画・デザイン力とゴム加工技術を掛け合わせ、シリコーンロックグラス「KINJO JAPAN E1」を生み出し、生活雑貨という、これまでにない新規市場の開拓・販路拡大を実現させました。
採用の背景には、「生活の中に存在しているけど見えない錦城」から「生活の中で見える錦城」を目指す錦城護謨の思いに、暮らしに欠かせない「グラス」というシーラカンス食堂のアイデアがマッチしたことがありました。さらに、社員やその家族にも錦城護謨の作った商品が渡れば、価値観の共有ができるのでは、という思いも抱いていました。インナーブランディングも視野に入れ、シーラカンス食堂の「グラス」に決定しタッグを組んだのです。
シーラカンス食堂とは、開発当初よりお互いをリスペクトし合い信頼関係が構築できたと錦城護謨。コンセプト、デザインについて錦城チームからは、基本的に否定したことが無かったそうです。それは、錦城の商品開発力、ブランディングに取り組む理由を深く理解していたからこそ。両社の信頼の絆があったからこそ、意見やアイデアや構想を自然に話し合うことができたと言います。
錦城護謨の水田氏は、シーラカンス食堂と共に行ったのものづくりについて以下のように振り返っています。
水田氏:グラスのモックアップができ、クラウドファンディングサービス「Makuake」に出品しました。目標金額30万を遥かに超える280万という応援購入をいただき、リターン開始まであと1カ月少しと迫ったとき、シーラカンス食堂よりデザインを変えたいとの申し入れがありました。
期日的に相当厳しかったのですが、より納得できるものを作りたいという思いやブラッシュアップするとどんな物に仕上がるのだろうか?という期待もあり、無理を承知で変更することを決めました。
その結果、当初の物とは一線を画す製品となりました。手に取った時に「何これ!全くの別物、高級感がヤバイ!」と感動したのを覚えています。現在頂いている大きな反響は、ここでのデザイン変更が無ければ得られなかったと感じています。
信頼で結ばれたチームだからこそ生まれた画期的な商品
今回ご紹介した「KINJO JAPAN E1」誕生の背景には、世界に誇る日本のものづくりを支える確かな技術とクリエイターの出会いの物語がありました。
両社のフィルターを通して解釈し、グラスに落とし込む。そのプロセスを通じ、モノに新たな価値を付加することの重要性と必要性を、それぞれが身をもって感じることのできたプロジェクトだったのではないでしょうか?信頼で結ばれたチームだからこそ生まれた画期的な商品。この経験がさまざまな思いやカタチに姿を変え、多くの人々に繋がっていくことでしょう。
「錦城護謨株式会社」のみならず、「YAOYA PROJECT」から誕生したプロダクトは商品化に向けて今もなお各所で連携を続けています。またこの取組みは、第二弾として『「生活」の中にある「暮らし」に気づかせてくれるプロダクト。』をテーマに2020年も開催されています。現在進行中の「YAOYA PROJECT」から誕生するプロダクトにもぜひご注目ください!
●KINJO JAPAN E1 購入はこちらから
https://kinjojapan.shop/
●KINJO JAPAN ブランドサイト
https://www.kinjojapan.com/
●錦城護謨株式会社
https://note.com/yaoya_project/n/n308da1edeb9c
●シーラカンス食堂
https://www.c-syoku.com/
●YAOYA PROJECT
https://awrd.com/award/yaoya-project2020