クリエイターとプロジェクトをつなぐプラットフォーム「AWRD」の新連載シリーズ「AWRD meets GLOBAL CREATORS」( #AMGC )。
「新たな感性」をテーマに、デザイナー、アーティストなどさまざまなフィールドで活躍する世界の気鋭クリエイターにスポットをあて、創作やその国ならではのカルチャーに触れていきます。
10回目となる今回は、東京を拠点に活動するデザインユニット「Company2」。中国出身の陳文亮(Wenliang.C)さんと王睿宇(Wang Ruiyu)さんによって2022年に設立され、グラフィックデザインやアートディレクションなどビジュアル表現の領域で独自の存在感を放っています。
国を越えた異なる文化や言語などを背景をもつふたりが共に日本を拠点に制作を行うことで生まれるのは、既存の枠組みにとらわれない視点と造形です。
今回、Company2としての創作の原点や東京での活動、表現活動の向き合い方についてお話を伺いました。
ー 東京を拠点にデザイン活動を始めた経緯を教えてください。
私たち二人は東京造形大学の同級生で、高田唯教授 の教え子でした。まだ在学中の頃に、唯さんからお声がけいただき、中国に関わるプロジェクトに一緒に取り組むことになりました。その後も卒業までにいくつかの仕事を共に行いました。卒業後、就職に対する強いこだわりもなかったこともあり、唯さんの励ましとサポートを受けて、Company2を立ち上げ、デザインの仕事を始めました。
ー Company2のアウトプットは、シンプルなグラフィックから可愛らしいモチーフが置かれたもの、モーショングラフィックなど様々なアプローチの仕方をされていらっしゃいます。大学では油絵を専攻されていたとのことですが、そうしたアートのバックグラウンドは、今のデザインや表現にどのように影響していますか?
大学では二人ともグラフィックデザイン専攻ではなく、陳は油絵で、王はプロダクトデザインでした。
異なった分野の出身によって、物事に対する視線、思考、好き嫌いなどの「習慣」がいつの間にか身についたのかもしれませんね。私たちでも気づいていないくらいの「習慣」が表現に大きく表れていると思います。

ー HandSawPressのZINE祭りのビジュアルやアーティストの展示ビジュアルイメージなどさまざまなアート関連のデザインを手がけていらっしゃいますが、特に心掛けている点はございますか?
HandSawPressのZINE祭りのようなイベントや、さまざまなアーティストの展示のデザインにおいて、最も重視しているのは、イベントの主旨やアーティストの作品から最も大切なポイントを抽出することです。それは、伝えたいアイデアであったり、作品の手法やテーマであったりします。これらをしっかりと理解し、料理した上で、ストレートかつ力強くビジュアルの中心として表現するよう心がけています。
ー Company2としても個々としてもそれぞれでご活躍をされていらっしゃいます。ユニットと個人でのアウトプットの違いを教えてください。
ユニットとしての仕事は、基本的にデザイン案件です。手を動かす前に、まず二人で話し合って分担してから進めます。個人の場合は、グラフィックデザインもアート活動もあります。自由に暴れています。たまにお互いにに見せ合い意見を聞くこともあります。

ー Company2の出身地や東京都内で、クリエイティブなインスピレーションを得るためのおすすめのスポットはありますか?
陳:仕事中の時間、グラフィックデザインの情報は結構入ってきます。逆にオフの時間や趣味を大切にしています。私はアートが好きですし、美術展を見に行ったりします。アーティゾン美術館は好きな美術館の1つです。あと、趣味で模型作りもやっています。お店に行ったらいつもタミヤのパッケージを見て楽しんでいます。古いおもちゃの箱やステッカーなどが好きで中野にある「まんだらけ」も好きな場所です。グラフィックデザインは好きだけど、それに没頭しすぎないようにしています。
王:私にとって、リラックスして心地よい状態にいることで、頭の中が自由になり、面白いアイデアが湧いてきやすくなります。リラックスする方法のひとつが散歩で、公園や住宅街を歩くのが好きです。商業エリアのようにきれいに整備された街並みよりも、住宅街にある一軒一軒違ったスタイルの建物や、家の前や建物の下に置かれたさまざまな物たちのほうが、なんだか気持ちがほぐれて、住んでいる人の性格や暮らしぶりが想像できるようで楽しいです。私は笹塚に住んでいて、よく笹塚から代々木公園まで散歩して、代々木上原の「按田餃子」でご飯を食べたりします。この散歩コースはとてもおすすめです!
ー 表現活動を行う上で大切にされていることはどのようなことでしょうか。
最も大切にしているのは、純粋なものをつくることです。言葉であれこれ説明しないと伝わらないような作品より、純粋で、シンプルかつストレートな表現が好きです。

ー 今後チャレンジしたいことなどありましたら教えてください。
いっぱいありますね!グラフィックデザインとリンクできる分野が多いです。音楽、映画、商品、空間、施設…私たちにとっては新案件がチャレンジそのものです。いつもワクワクしながら試行錯誤します。
陳は8月に中国広東省恵州で展示プロジェクトがあります~。王も12月に東京で(どんな作品を展示するのか?)個展を開催します。ぜひお越しください。
陳は8月に中国・広東省恵州で展示プロジェクトを予定しています。王も12月に東京で個展を開催予定です(展示内容はお楽しみに)。詳細は、Company2のInstagramにてご案内します。ぜひお越しください。

Company2
Company2は2022年、東京で設立したデザインオフィスです。高田唯さんと彼の会社Allrightの協力を得て、陳文亮 Wenliang.Cと王睿宇 Wang Ruiyuの2人で会社を立ち上げました。Company2は設立前からブランディングデザイン、エキシビションアイデンティティ、エディトリアルデザイン、音楽などの分野を手掛けており、さらに他の分野に活動の幅を広げていきたいと思っています。
Link
Instagram:https://www.instagram.com/company2.ins/
Website:https://company2.info/
