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株式会社OpenHeart・TAVIO/#AMGC Vol.15

2026/03/23(月)

#AMGC

企業・自治体・クリエイターが共に多様なテーマに取り組むための公募・共創プラットフォーム「AWRD(アワード)」の連載シリーズ「AWRD meets GLOBAL CREATORS」( #AMGC )。
「新たな感性」をテーマに、デザイン、アート、ビジネスなど、さまざまな分野で活躍する世界の気鋭の挑戦者にスポットをあて、創作や活動、公募の価値、その国ならではのカルチャーに触れていきます。

今回は、独自の3Dエンジン「TAVIO」を開発する株式会社OpenHeart。「3Dが当たり前に存在する未来を、誰もが触れられる日常へとひらいていく。」をコアメッセージとして、空間コンピューティング技術を“特別な技術”から“日常の体験”へと変換し、3Dが息づく新しい暮らしをデザインしています。

テクノロジーとデザインの交差で生まれる、新しいライフスタイルとは。OpenHeartの想いと挑戦をお伺いします。

3D撮影サンプルはこちら

「TAVIO」をリリースしたきっかけはなんですか?

これまで3D生成は特別な機材が必要で、いわゆるテクノロジー好きの人でなければ扱えない領域のものでした。私たちはそれを、より多くの人が当たり前のように使える技術にしたいと考え、TAVIOを開発しました。

写真や動画ももともとは特別な技術でしたが、今では誰もが日常的に使うメディアになっています。次は3Dが民衆化する番だと考えています。

空間ごと記録し、あとから追体験するように閲覧できる体験は、3Dならではの魅力です。専門機材や高度な知識がなくても、日常の中で3Dを使える世界を目指しています。

3D生成の技術など、サービスの技術的な核となる部分の特徴や、それらが生み出す価値について教えてください。

TAVIO ENGINEの特徴は、少数枚の画像からでも高品質な3D空間を生成できる点です。一般的な3D生成では大量の画像が必要で、複数のカメラを設置したり、動画撮影によって多くのフレーム画像を取得したりする必要がありました。

TAVIO ENGINEは独自アルゴリズムにより、少ない画像でも安定した3Dを生成できます。これまで特別な設備が必要だった3D撮影を、よりコンパクトな機材で実現可能にし、身近な体験にすることが可能になっています。

9枚の画像から生成した3Dモデルの比較:少数枚による3次元復元時、TAVIO ENGINEではノイズが少なく、3次元構造の精度が高い。

幅広い業界での利用シーンがございますが、特に印象的だった活用シーンや導入例があれば教えてください。

特に印象的だったのは、お子さんの3歳のバースデーフォトを3Dで撮影した事例です。3Dフォトでは、家族がカメラではなく子どもに自然と視線を向けている様子まで、空間ごと記録できます。従来の写真では全員がカメラの方を向きますが、3Dではその場の関係性や空気感が残ります。

また、これまでの3D撮影は大型スタジオや長時間の撮影が必要で、小さなお子様には難しい面がありました。TAVIO ENGINEは少数枚から生成できるため、コンパクトな撮影セットで自然な瞬間を記録することが可能になりました。

写真とも動画とも違う、3Dフォトならではの魅力を感じていただける事例だと思っています。

3Dフォトを右側からみると、子供を見つめる父親の顔がみえてくる。左側からは、子供を見つめる母親の顔がみえてくる。さらに正面では、被写体がカメラの方向を向いていない様子を自然とおさめられるのが3Dの特徴の1つ。

3D撮影サンプルはこちら

写真は瞬間を切り取りますが、3Dは“存在”そのものを残されているイメージがあります。記録やアーカイブの未来について、どう考えていますか?

写真も3Dも、ある一瞬を記録するという点では同じメディアです。ただ、大きな違いは閲覧体験にあります。

写真は撮影者が決めた構図を通して思い出を振り返りますが、3Dでは閲覧者自身が視点を動かしながら空間を体験します。つまり、受け手が能動的に空間を探索しながら意味を再構成する、参与性の高いメディアだと考えています。

マクルーハンの言葉を借りるなら、3Dは写真より情報量が多いという意味ではホットなメディアでありながら、閲覧体験としては受け手の参与性が高いクールなメディアとも言えるかもしれません。

今後のアーカイブは、単に情報量が増えるだけでなく、記録を体験する側の関わり方そのものがより物語的なものになっていくのではないかと感じています。



今後、「TAVIO」はどのような方向へ進化していく予定ですか?

自分の人生の大事な瞬間を3Dで残せるという選択肢を社会に届けたいと考えています。そのための第一歩として、3Dフォトブースの提供から始めます。TAVIO ENGINEのおかげで3D撮影のハードルが下がり、これまで難しかった場面でも3D撮影が可能になりました。さらにTAVIOのウェブプラットフォームによって、ブラウザで3Dを閲覧・共有できる環境も整っています。
まずはフォトブースで、バースデーやウェディング、卒業式といった人生の節目や、ライブや推し活などの最高な瞬間を3Dで撮影し、その体験を知っていただく。そこから次の段階として、「自分でも3Dを撮ってみよう」と思える文化を広げていきたいと考えています。




ユーザーコミュニティやSNSを通じたユーザーとの関わり方について、どのような考えや狙いがありますか?

3Dフォトも写真や動画と同様に、大切な瞬間を残し、誰かと共有したいという人の自然な欲求に寄り添うメディアだと考えています。一方で、すべての3Dフォトを公開したいわけではありません。家族だけで共有したいプライベートな3Dフォトや、親しい友人との間だけで共有したいセミプライベートな3Dフォトも増えていくはずです。

また3Dは空間ごと記録するメディアであるため、「共有はしたいけれど、この角度は見せたくない」といった新しいプライバシーの感覚も生まれてきます。

共有の楽しさとプライバシーの安心感の両方を大切にしながら、ユーザーが安心して使えるコミュニティ設計を進めていきたいと考えています。

3Dフォトブース設営の様子。持ち運びが可能な機材のみで3Dを撮影できる。

ー今後チャレンジしたいことなどありましたら教えてください。

現在は、卒業式や結婚式、ライブ、推し活といったハイモメンタルなシーンで3D記念撮影ができるコンパクトな3Dフォトブースの開発に力を入れています。

会場の一角にフォトブースを設置し、その場で3D撮影を体験してもらう取り組みです。現在は専門スタッフが撮影していますが、今後はより多くの人が利用できる仕組みに発展させたいと考えています。

さまざまな人生の瞬間を3Dで残す文化を広げていくことが、これからの大きなチャレンジです。

株式会社OpenHeart
OPENHEARTは、独自の3Dエンジン「TAVIO」を軸に、空間コンピューティングの技術を、誰もが使える身近な体験へと変えていくスタートアップです。テクノロジーとデザインの力で、3Dを“特別な技術”から“日常の体験”へ。私たちは、3Dが息づく新しい暮らしをデザインしています。

三野宮定里 共同設立者, 取締役, CDO: Chief Design Officer

Links

Website:https://tavio.ai/

会社Website: https://openheart.co.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/tavio.ai/


編集:AWRD編集部

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