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どの絶滅危惧空間を扱うのか(300文字以内)
本提案では、街から減少し続けている「電話ボックス」を扱う。
かつて電話ボックスは、単なる通信設備ではなく、道の途中で立ち止まり、誰かと接続するための小さな都市空間だった。しかしスマートフォンの普及によって急速に減少し、日本国内では2000年代初頭の約70万台から、2025年には約9.6万台まで減少している。
本提案では、既存の電話ボックス骨格を再利用し、「電話」「郵便ポスト」「お地蔵様」を重ねた新しい都市の接続点として再構築する。 -
なぜその絶滅危惧空間を扱うのか(600文字以内)
電話ボックス、郵便ポスト、お地蔵様は、それぞれ用途は異なる。しかし共通しているのは、どれも「道の途中の接続点」だったということである。
電話ボックスでは、立ち止まり、受話器を持ち、遠くの誰かと接続した。郵便ポストでは、手紙を書き、歩き、投函することで、自分の時間を都市へ預けていた。お地蔵様は通信装置ではないが、誰かが花を置き、手を合わせ、通り過ぎる、静かな存在として道の中に存在していた。
現在、通信機能はスマートフォンへ集約され、いつでも誰かと繋がれるようになった。しかしその一方で、人が街の中で立ち止まり、言葉を預け、静かに何かと向き合う場所は少なくなっている。
電話ボックスの減少は、単なる設備更新ではなく、「身体的な接続空間」の消失でもあると考える。
また、お地蔵様の多くは、再開発や道路整備、管理者不在などの理由で移設・撤去されている。しかし撤去された場所の記憶は、多くの場合都市から失われてしまう。
本提案では、絶滅しつつある電話ボックスを、単なる保存対象としてではなく、失われつつある都市の接続や記憶を再編集する空間として扱う。 -
どのようにその絶滅危惧空間を変異させるのか(1200文字以内)
本提案では、既存の電話ボックスの骨格を再利用し、内部を三つの異なる接続で構成する。
まず電話は、ボックス外部に設置する。高さは昔の公衆電話と同じ位置とし、立ち止まり、受話器を持ち、声で接続するという身体的行為を残す。電話機は薄型化し、現在の都市環境へ適応させる。
中央には、電話ボックス骨格に接するサイズの郵便ポストを設置する。ポストは構造体の一部として組み込まれ、単なる設備ではなく、都市空間そのものとして扱われる。手紙や葉書を投函するという行為は、即時通信とは異なる「時間差のある接続」を生み出す。
最下部には、小さなお地蔵様を配置する。お地蔵様は通信装置ではない。ただ、そこに居続ける存在である。誰かが花を供え、立ち止まり、静かに向き合うための場所となる。
さらに、お地蔵様の背面にはQRコードを設置する。このQRコードから、以前お地蔵様が置かれていた場所、地域の歴史、移設理由、周辺の都市変化などを閲覧できるようにする。
つまり本提案では、QRコードを単なる情報リンクとしてではなく、「消えた場所の記憶へ接続する装置」として用いる。
電話は「今すぐ届く声」。
郵便は「時間を預ける通信」。
お地蔵様は「沈黙の存在」。
QRコードは「失われた場所の記憶」。
本提案は、新しいインフラを作るものではない。
街から消えつつある電話ボックスを再利用し、都市から失われつつある「道の途中の接続点」を再編集する提案である。
社会実装としては、既存電話ボックスの再利用によって低コスト化が可能であり、NTTや自治体、地域団体、寺社、郵便事業者との連携も想定できる。また、観光や地域アーカイブではなく、日常的に立ち寄れる小さな都市空間として機能することを目指す。
都市の中に、通信速度の異なる複数の接続を重ね直すことで、人と街との関係性を再び身体的なものへ変異させる。
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電話ボックスの再構築
既存の電話ボックス骨格を再利用し、
内部を三つの接続で構成する。
電話は外側に設置し、
昔の公衆電話と同じ高さで使用する。
郵便ポストは、
電話ボックスの骨格に接するサイズとし、
構造と一体化させる。
最下部には、
小さなお地蔵様を配置する。
通信しない存在。
ただ、そこに居続ける存在。
これは、新しいインフラではない。
街から消えていく
「道の途中の接続点」を、
再編集する提案である。
ポストは、時間差のある
コミュニケーションの装置。
お地蔵様は、沈黙の存在。
電話は、今すぐ届く声。
道の途中に、
三つの異なる時間を重ねる。
内部を三つの接続で構成する。
電話は外側に設置し、
昔の公衆電話と同じ高さで使用する。
郵便ポストは、
電話ボックスの骨格に接するサイズとし、
構造と一体化させる。
最下部には、
小さなお地蔵様を配置する。
通信しない存在。
ただ、そこに居続ける存在。
これは、新しいインフラではない。
街から消えていく
「道の途中の接続点」を、
再編集する提案である。
ポストは、時間差のある
コミュニケーションの装置。
お地蔵様は、沈黙の存在。
電話は、今すぐ届く声。
道の途中に、
三つの異なる時間を重ねる。
